第17章 助けとしがらみ
昔の呼び方
秀次→恵土姉ちゃん、姉ちゃん、けーと、恵土
恵土→秀次、秀ちゃん
今現在での呼び方
秀次→恵土
恵土→秀次
そして、病室の前…
少し嬉しそうな笑い声が聞こえる中
扉の前でたたずんでいた…
そこで思い出したのは…
ひどい言葉を投げかけてしまったこと…
『何年一緒に過ごそうが、それよりも大事なんだろ?
その程度だったんだろ?
俺たちが歩んできた時も、想い出も…』
(480ページ参照)
秀次「…
(結局、俺は…謝ることえさえも、出来ないまま…」
うなだれ、未だに入ることができずにいる中…
一つの会話が聞こえてきた…
恵土「秀次ったらね、意地っ張りなんだよな~」
秀次「!…(俺の話し?」
風間「?どういう所がですか?」
恵土「肝心な所で素直になれないっていうか
変にいじけたりするような可愛い所w」
菊地原「絶対に聴いてたら怒られると思いますよ、それ」
恵土「いいのいいの♪
怒られても、それ事大好きだし^^」
秀次「…」
恵土「…でもさ…
さっき、言われた言葉聴いたら…
確かに、そういう風に取られてもおかしくないよな…
時間も、想い出も…
秀次との方が長いのに…
たくさん、いっぱいあったのに……
それでも、遊真の方を取った…
私はさ…
ずっと、一人で過ごしてきた…
それまで、何度も拒絶されて…」
そううつむく中、無意識の内にテレパシーを通じて伝わってくる…
行く先々の近界で、ようやくできた慕ってくれる人を
近界民に対して嫌がる同じ近界の人たちに殺され
「出てけ!」
「消えろ!」
そう追い出され
「当然の報いだ」
「罰が当たったんだろ」
「消えてしまえばいいのに」
「お前を求める人なんていないんだよ!」
次々に投げかけられる言葉…
どこへ行こうとも同じで…
それが、8歳半から11歳4か月まで続いたこと…
2年と10か月もの間
ずっと、味方もいないまま…
寄り添おうとする人もいないまま…
ずっと、一人きりだったことを…