第17章 助けとしがらみ
風間「…俺を護ってくれた、あの時から…
俺の気持ちに変わりはありませんよ…
愛しているという想いも…
護り抜きたいと、強く思ったことも…」
そう、目を細めながら穏やかな表情をし
笑みを浮かべていた…
菊地原「…こりゃ完全に骨抜きにされてるな)
まあ、僕も人のこと言えませんけど(ぼそっ」
風間「…恵土は、悪口を陰で言われ続けながら
それを話す相手もいなかったそうだ…」
菊地原「!それって…
理解者がいなかったってことですか?」
風間「いや…いたんだ。
居たからこそ、言えなかった…
大事だからこそ、その辛さが増えることで
相手の感じる辛さを感じてしまい、もっと辛く感じてしまう…
そういう人柄だからこそ、なおさらに……
それで幼い頃
4歳頃から、何年も抱え込み続ける傾向が現れ
そう言われて傷付くことを、相手からは何とも思われない中
必死に何年も耐え続けてきた…
サイドエフェクトもあるあまり、なおさらに他にも感じ取れていた…
理解されないまま、人柄を決めつけられ
差別され、隔壁をうみ、迫害され、傷付けられ
あまつさえ、殺されかけることもあったそうだ…」
菊地原「!え…」
風間「それによって、苦しんで苦しみ抜いて…
最終的には精神を病んで
最近になって、ストレスによって倒れることもあった…
…最初こそ驚いたが、見ていれば解る…
少しでもいい、分けなければ死んでしまうと言われても…
自分が話すことで、相手や聴いている人にまで
その辛さを味あわせることになる…
それが、何よりも辛いのだと
そうなるぐらいなら、自分一人が潰れた方がよっぽどいい
死んだ方がいいと、泣き崩れるありさまだ…
人のためならば、そう思いつめるほどの精神で
そういった人柄を持つ人だ。
だからこそ…俺は許せなかった。
悪いことができる人でもない。
あまつさえ、それを狙ってするなどということはできない。
第一に…
今まで付き合ってきたが
あの人が、人の悪口を言う所は
見たことも聴いたことも無い」