第17章 助けとしがらみ
菊地原「なるほど。
色々と気にかけたりしていたのはそういうわけだったんだ」
風間「俺のせいで大怪我をしたようなものだしな」
菊地原「本人、さほども思ってなさそうですけど;」
風間「そういう性格だ。
そんな恵土だからこそ、そう思うようになった」
菊地原「…今、敬語抜けましたよね?
それに呼び方も」
風間「前々から言われていたことだ。
『私が3歳年上だからと言って
そんなにかたくなにしなくていいよ。
敬語はなしで、呼び捨てで!(ビシッ!)
私も、もう蒼也って読んでるんだからさ!^^b』
『すみませんが、お断りします』
『え~!;頑固者ぉ!;(ぷー(頬膨らます』
…まあ、たまにはいいのかもしれないな(溜息」
菊地原「…そうですね。
どちらかと言ったら
ののしったりからかったら楽しいですよ。
一生、飽きなさそうだし
そんな気配さえもないんですから」
風間「お前はもう少し自重しろ。
ただでさえ弱っているんだ。さらに弱らせてどうする」
菊地原「…いつでも風間さんって
恵土先輩の味方ですよね…
悪口いわれている時なんて、キレて手に負えなかったらしいですし」
風間「…あの人は恩人だ。
あの当時、俺はまだC級だった。
もう少しでB級になる所だった…
それでも、時は待ってはくれなかった…
15体に囲まれ、6体倒すのが限度だった」
菊地原「いや、弧月しか使えない時点で十分凄いでしょ;」
(450ページ参照)
風間「…その後、瞬く間に恵土は8体を倒し
俺の目の前に居た、最後の1体との間に割って入り
その身を盾に、護り抜いてくれた…
最後まで、トリオン体が解けることもなく
近界民にベイルアウトが出来ないという情報が行かないようにし
そのために、今まで全てを懸けてきた…
護り抜くために、力を使おうとすること。
そのことが、本当に重要なのだと教えてくれた…
だから俺は、あの人の支えになりたいと思っている。
あの人がいなければ…
今ある幸せも、考えられなかったことだ」
そう言いながら目を向けていた本を閉じ、思い返される…
遠い、過去の日々を…