第17章 助けとしがらみ
木虎「恵土先輩!!」
風間「はあっ…はあっ…」
雪が雨に変わる中…
駆けつけた風間が見たものは…
木虎「いやあああああああああああ!!!!;(涙」
ビシャアアアアアアアアン!!
木虎が泣き叫んで、倒れ込んできた恵土を抱き締める中
雷の光によって照らされた、血でまみれた恵土の姿だった…
風間「…(ギロッ」
即座にトリオン兵を睨み据え、スコーピオンを突き刺した…
トリオン兵を倒した中…
風間「また…護れなかった…(ギリッ」
呟かれた言葉…
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッ!
それは、雷鳴にかき消されていた…
右の背中(胸骨と肋骨の間)と、首の右部分を切られ
左前腕部に刃が二本突き刺された…
切り傷はそんなに深くなく、臓器に損傷もなかったが
左腕は2か月は使い物にならなくなっていた…
風間を庇って怪我をした時もまた
同様に臓器に損傷はなく、出血はそんなに多くはなかったものの
傷の痛みがひどく、起きたばかりの時は悲鳴をあげていたとか…
そして目を覚ました時…
木虎「恵土…先輩!(震え涙&微笑」
目を細めながら嬉しそうに笑い、震えながら涙を流し…
恵土へと抱き着いていた…
恵土「あれ?私…
確かトリオンを木虎へ送りながら、抱き締めて庇って…」
ベッドに横になった状態で
右から抱き締められたまま、ふと考えて思い出す…
木虎「頸動脈まであと1ミリで
少しでも深かったら死んでいたんですよ!?;
バカアアアアアアアアアアア!!;;(ヒシィッ&涙」
恵土「そんなに泣かんでも…;
よしよし;ごめんってば;(苦笑&頭を撫でる」
風間「…二度と、こんな真似はするな」
恵土「…うん。ごめんな;心配かけて…」
こうして、この当時には
同じようなことが、また未来で起こるとは思いもしなかった…
(371ページ参照)
それから…
1か月ほどで、怪我を完治させ
後に遅れながらも、皆と楽しそうにパーティをする恵土であった…
だが…
その首には、常にマフラーが巻かれるようになった…
その傷跡を、隠そうとするかのように…
(11月8日PM22:43更新、454~468(15ページ))