第17章 助けとしがらみ
それから今…
俺は、恵土の前に居る…
(様々な考えがよぎる中
殴り合いの場から恵土の前へ移動した秀次…
その眼は、あの日から深く沈んでいながらも
救いを求めているように見えた)
恵土「?秀次、どうした?」
(そして、それを見抜いて助け出そうとし続けてきたのは
恵土だけだった…)
秀次「…いや。
それよりも何でぐるぐる巻きにされてるんだ;」
ベッドにくくり付けられている恵土に対し
冷や汗をかく秀次
恵土「動いちゃダメって蒼也がさぁ;」
風間「絶対安静と言う意味を理解してください」
恵土「解ったよ;
解ったから武装錬金読破させてよ~;(ぶうぶう」
風間「その時俺は
恵土「いや!
音読じゃなくてみせるだけでいいから!;
ってかまさかの芝居口調!?;」
漫画を声に出して読みかける蒼也にツッコむ中
「つまり、投げた後でもスコーピオンが消えないのは
トリガーであるスコーピオンの発動を取り消してないから。
消そうと思うことによって、スコーピオンが消えると同時に
それ以外の二つのトリガーが併用できるのですね」
木虎「はい。
ですが、それを出そうと使った分のトリオンは回復できません。
手の甲から見て左右に刃がある方をすすめたのも
その方が持ち直す必要もなく、力を伝えやすいというのもあると思います。
実際、そのおかげで扱いやすかったです。
スパイダーも然り、片手で扱える拳銃も然りで」
隣の会議室では
トリオンの使う方などの講義を含んだテレビは終わった。
菊地原「なるほど。
あの後、恵土先輩についてどう思ってるかを聴いたってわけか」
それ以外の部分も解った上で、会議室から出ると…
恵土「だからはずしてってば!;読みづらい!;」
風間「ダメです。安静にして下さい」
菊地原「…;
(ん~。
一応過去に何があってそういう風に心配するかも解ったけど
少しぐらい言ってくれないと、惚れてるかって勘違いしそう」
そう言いあう二人に
冷や汗を流しながら思う菊地原だった…