第16章 入院生活
その叫び声と共に、放たれた拳…
それは、恵土の脳天を貫いた
恵土「っ~;;」
思わず頭を抑えながら涙目になる恵土に対し
太刀川は、恵土の左側から胸ぐらを掴みながらまくしたてた…
太刀川「そんなことが聴きたいんじゃねぇ…
俺が言いたいのは、もっと別のことだ!
お前は…
いっつも一人で無茶し過ぎなんだよ!!
もっと、頼っていいんだ。
すがったっていい!!
お前は俺たちに、そう教えてきただろうが!!
いつだって、お前は…
人にそうさせてきただろうがあっ!!!!」
恵土「驚)!!
…バカヤロウ…
その時、いなかったくせに(目を伏せる」
太刀川「いなかろうが何だろうが関係あるか!!!
俺は、そんなお前だから護り抜きたいんだよ!!!」
恵土「っ(じわっ)…
私は、そんなろくなもんじゃない…
村の皆が死んでも!
今まで知ってきた全ても!
大事なもん全てが殺されても!(歯を食い縛り、苦しそうな顔をする)
生き永らえていられるような
最低な人間だ…(右拳握る&震え)
生きる資格もないような奴だ…
こんな自分一人の命に、何の価値があるっていうんだよ!!(涙目」
太刀川「…解らねえか?
…お前が、大事だからだ。
お前が、誰かに苦しい思いを味あわせないために
必死に誰でも護り抜こうとするように
俺にとって大事なのは、お前だ。
だから…
お前が、お前をどう思おうが知ったこっちゃねえ。
お前が、自分をどう思う奴だろうが助けてきたように
俺たちも助けたいし護りたいってことだ」
菊地原「決定事項ですか。まあ、同意見ですけど」
風間「いい加減に自分を許してやれ。
できなければ、ずっと苦しいだけだ」
恵土「…できたら、苦労しねえよっ…(涙&震え)
最初からいない方がよかったって思ってるのに;」
目を瞑りながら、歯を食い縛り
右手で拳を握りながら涙を流し、辛そうな表情で震えていた…