第16章 入院生活
恵土「私は…
自分が、全ての元凶だって思ってた。
村が狙われて、真の狙いは私のトリオンで。
村の皆は護るために戦って、全員殺されて…
それから…
自分の中での自分の価値は、最低になった…
護り抜くために頑張ってきてもダメだった…
護り抜こうとしても、間に合わなかった…
護り抜いても、そいつの心までは護り切れなかった…
…だったら、もう…
自分なんかはどうなってもいい。
自分以外を護れさえすれば、他に何もいらない。
そう…思った。
自分を護るために
父上も母上も皆死んだから、尚更にそう思ったんだ。
けど…違った;
自分も大事にしないといけないんだ;
糧にする自分の命が無くなって、護られたって嬉しくなんかない;
本当の意味で、護ったってことにはならない…
解ってるんだ…本当は…
それで護られたって、何の救いにもならないって事ぐらい……
逆に重荷になって、苦しいってことも……
それでも…
どうしたって護り抜きたいって思ってしまう。
ただ、生きているだけで良かった…
それ以外、何もいらなかった…(涙目)
それさえ護れなかったから…尚更に……(涙」
『…』
今までに味わった思い、それから歩み出した道…
その言葉に、黙って聴き入っていた…
恵土「なら、今度こそは護り抜きたい…
自分を含まない周りだけが、全てじゃない!
自分も含んだ、全てのために…
本当の意味で…全てを、護り抜きたい!!
そう思っても、願っても…
結局は、目先の命を護ることに執着しちまうんだ。
勝手なもんだよ、本当に…
解っててもブレーキを踏めない。
ブレーキを踏んで、後で後悔したくない。
護れる命を護れないで、生き永らえたくなんかはない…
どうしたって、止まらなくなってしまう…
苦しんで、悲しんで…
同じことをすることになろうとも、止め切れないっ;
…もっと、強くなりたい…
あんな時、動けるようにもっと」
太刀川「違うって言ってんだろ!!」
突如、叫び声が響いた