第16章 入院生活
風間「つまり、その祠に立ち入るよう予言でも残し
恵土先輩が、『祠にある始祖神の力』であるあなたを
その身に宿すよう、仕向けたということですか?」
流尾『ああ。
最初は、微弱な変化だった。
だが後に、それが当たり前となるまで時間がかかりながらも
そうあろうとするようになった。
そして、白い狼は神の使いとしてあがめられ
今までに害と呼べるものが無かったことから
感謝と共に、祠を建てた。
そこで、復活するまでに必要な力を有したものが生まれるまで待つことにした。
そうして恵土が生まれ…
何度打ちのめされて、ひどい苦しみにさいなまれようとも
それでも、大事にしようとすることをやめない想いにより
トリオン自体が意思を持つほどにまでなったということだ』
緑川「ん~。
あんまりよくは解らないけれど…
恵土先輩を利用したってこと?」
流尾『そうなるな。
だが私は、恵土を愛している。
だから、護り抜く次第だ。
第一…
生き帰られるよう、神に導きかけたのは私だ。
お前たちの想い・愛の働きかけによるものだろうがな』
恵土「あの時はホントに助かった。ありがとう(ぺこり」
皆に対し、お辞儀をする恵土だったが…
太刀川「え~と…
要するに
あんたは『意思を持ったトリオン』で『始祖神の力』そのもの。
で、恵土は『強い想いを宿した魂』で『力を引き出す源』ってことか?
銃で言う所の
力が弾なら、想いがトリガーみたいな感じの?」
流尾『ああ。そうなるな。
だが、私は自我を有しているから
自在に護り抜けるように動ける』
?を浮かべながら言う太刀川に対し
流尾はまた頷いた
菊地原「で。
何でそれが極秘事項なんですか?」
流尾『鈍いな。
魂の力が強過ぎると、体が堪えられない。
そのため、まずは力になれさせないといけない。
その上、全身に力を循環させるため
血に相当のエネルギー量が送られることとなる。
だからこそ、アフトクラトルの連中は狙ったのだろう。
恵土の血を』
その時、アフトクラトルの狙いが解った…