第16章 入院生活
その頃、秀次は屋上で考え込んでいた…
秀次「…俺は…何がしたいんだ…」
太刀川「よっ。
恵土の具合、マシになってきてるか?」
そこに立ち入る太刀川
秀次「…1日やそこらで治るような怪我だと思いますか?」
太刀川「いやいや、今の様子を聴きたいだけだって(苦笑)
…で?
何か悩みでもあんのか?」
座っている秀次の隣に座り、太刀川は尋ねる。
秀次「…恵土は…
俺を弟としてみているのか、男としてみているのか…
俺の場合、姉としてみているけれど…
同時に…一人の女性として見ていて
それごと、あいつに惚れたんですよ…」
瞼を閉じると、笑みを浮かべながら
左手で、俺の右手を掴みながら
俺の進むペースに合わせながら引く姿が浮かんだ…
小さい頃、何度もあった景色…
泣いていても、怒っていても
どんな時でも、それごと包み入れてくれた…
最後に笑うことができたのは…
いつだって…
あいつが、笑いかけてくれたから…
いつだって…愛していると
満面の笑みを浮かべながら、寄り添ってくれたから……
太刀川「う~ん。
それは難しいな。
本人に聴かなきゃわからないかもしれん(頭をかく)
それでも…
あいつが、本気でお前を大事に想ってるって事ぐらいは解るだろ?」
秀次「…こく(頷く」
太刀川「…だったら、それでいいんじゃねぇのか?
俺も振られた身だけれどよ…
それでも、俺はあいつに幸せになって欲しいって思ってる。
今まで、周りの全部を失ったり
全てに裏切られて殺されかけ続けたり…
精神が壊れてもおかしくない目に遭い続けてきたんだ…
それでも、お前が居たから立ち直れたって自慢げに言ってた」
秀次「!!」
太刀川「俺も、恵土のおかげで楽しかった(微笑)
だから俺は…今、こうやって笑っていられる^^」
秀次「…」
太刀川「…本当は
答えなんて、とっくに出てるんじゃないのか?
どっちにしろ、愛してるってよ(微笑)
どう見られていようが、どう思われていようが…
それごと愛しているって…あいつが言ってくれたように」
秀次「…(すくっ」
太刀川「お?行くのか?」
立ち上がる秀次に対し、尋ね
秀次「ああ…
ありがとう(ぼそっ」
去り際、秀次は呟いた…