第15章 創痍(そうい)
それから…
恵土「それにしてもまあ…
よくこんな厚みのある防弾ガラスを破れたね;」
菊地原「いやぁ。
あんまりにも激しい抵抗するもんで。
ヘリから振り落とされまして、たまたま入れました」
恵土「危険すぎるわ!;トリオン体とはいえ;
すぐ窓ガラスをトリオンで直したからいいもんの;」
菊地原「けれどまあ…
軍人たちが狙ってくることを理由に選んだのなら納得ですね」
恵土「まあ…高いセキュリティがあるし
ってか何気なくボーダー隊員、病院の一部に配備されてるし;
しかも…本部から何kmも離れた場所にある病院なのに;
他の患者さんの大手術があった後に
救急で私が駆け込んできて、その上失血死しかかってて;
非常に申し訳ない;
っていうか、どれだけ血を失ってたんだっけ;」
菊地原「ほぼ半分だったらしいですよ。
3.15L(リットル)の出血で。
おかげで軽くてびっくりしたみたいで」
恵土「多っ!?;
ってか輸血パックって
1つ200mLじゃなかったっけ?;
400mLもあったような気が;」
菊地原「その後も慌ただしかったですよ?
1人400mLも取られて、ふらふらですぐ寝てましたし。
一人、玉狛第一のだけ帰っていきましたが」
恵土「たらたら)…本当に申し訳ない;
それ以外、血を使う予定がなかったところへ駈け込んで;
その上、血を足りなくさせて最低だあああああ;(頭抱え&がくぶる」
菊地原「だから生き残ったんだからいいじゃないですか。
自分を責める癖なくしたらどうです?
終いには死んで、あの世で説教されますよ?」
恵土「!…
まあ、色々あの世で言われたけど」
菊地原「そういえば、詳しく聞いてませんでしたね…」
恵土「母上に…
もう、自分のために生きてもいいんだよって感じで言われて…
意味が解らない」
菊地原「…たまには
気を抜いて接してもいいんじゃないかって話じゃ?
我がままぐらい、聴きますし。
お互い、助けられてきたでしょう?」
恵土「!…
そっか…
そういうこと、言いたかったんだ(微笑)
ありがとう^^
なんか気楽に過ごせそうだ(微笑」
菊地原「いつも気を回し過ぎなんですよ…
ま、お互い様ってことで」
そうして夜が更けていく中…
二人っきりの病室の外では…