第15章 創痍(そうい)
それ以降、軍人たちが恵土を奪い去ろうとすることは
完全になくなったのだとか…
なんやかんやで…
風間「恵土先輩、絶対安静って意味分かってますか?(ゴゴゴゴゴゴ」
恵土「はい…;(たらたら」
ベッドを見下ろしながら凄まじいオーラを出す風間と
今にも正座をしそうなほど滝汗を流す恵土…;
風間「腕を動かしていいとは言いましたが
足を好きに動かしていいとは言いましたか?」
恵土「言ってませんです;」
風間「とりあえず動かないで下さい」
恵土「はい;(ズーン」
米屋「すっげ;
恵土先輩があっという間に;」
太刀川「あいつ、高圧的なオーラで来られるの苦手だからなぁ;」
三輪「いいようにあしらわれてるな;珍しい」
その頃、窓から下では…
歌川「全く…;いい加減恵土先輩に謝れ」
菊地原「…恵土先輩、あんな風に笑えるようになったんですね」
歌川「?…!」
菊地原「よかった(ぼそ&微笑」
木のクッションに埋もれたまま
大の字で想い、微笑んでいる中…
太一に対し…
「私の場合、少しでもいいから
思い出した時、皆が笑っていられる
そんな思い出を作りたいって思ってる。
だからさ…
私の場合は…少し振り回したい…
それで笑ってる皆がいたから…
その皆の笑顔が…本当に大好きだから……(微笑)
まあ、本当に嫌ならすぐやめるけどね^^;」
そう言っていたことも思い出されていた…
たまたま現場に立ち会って、影で聴いていた菊地原…
菊地原(恵土先輩の言う通り
僕は僕で、自信もって生きますからね(微笑))
割れた窓ガラスを見つめ
思う菊地原の笑みもまた、吹っ切れたように清々しく明るかった…
恵土「秀次!今すぐ私の隣で寝なさい!
寝てないんでしょ!;陽介から聴いたぞ!」
三輪「ちっ。余計なことを」
恵土「それと慶!蒼也!秀次!
輸血してくれてありがとう。遅くなったけど(ぺこり」
上体は無理だから頭だけ動かしていた
風間「それよりも速く治して下さい」
太刀川「当たり前だろ。お前の命がかかってるんだから」
三輪「悪いが、俺は隣で寝ない。
こっちのベッドで十分だ」
そう言いながらソファーベッドに横になろうとしていた…