第15章 創痍(そうい)
菊地原「むっす~)
で?わざわざ俺に話しかける用って何ですか?」
恵土「ん?
そうだなぁ。
いずれお前は最高の仲間に会う、ってことかな」
二人きりで、居間みたいな場所で話し合っていた…
菊地原「は?」
恵土「今は気付いてないかもしれないが
お前の聴力強化。音の響き方ってのは戦いでは重要だ。
風を切る音、足音、物質を砕く音
それらの音の響き方でどこにあるか、進行方向なども解りやすくなる。
実際私も、元々耳がいい方で
トリオン体の時にトリオンを集中させて
意図的に強化することもあるわけだし」
菊地原「!」
恵土「私はソロで居るよう言われてるから、勧誘は無理だけどさ。
いつか、お前のそのいい所にも気付いてくれる仲間に出会えるさ(微笑」
菊地原「…むしろ
あんたが一番、自分を理解している人を欲しそうな気g
ぐいっ!(頭を引き寄せられる)
!!」
恵土「え~!?何だって~!?
ごっめぇ~ん!私耳が遠くって解んない~!!」
ごりごり
菊地原「ぎゃあああ!!;ギブギブギブゥ~!!;
一体何したいんですか、あんたはああああ!!;(汗」
頭を引き寄せてヘッドロックし、思いっきりゴリゴリと顎を押し付ける
菊地原「俺は一生あんたみたいにはならない。
っていうかなれない(イライラ&ぼさぼさ」
恵土「はいはい。お好きにどうぞ~。
地味だか何だか言ってる奴等には勝手に言わせとけ」
菊地原(まったく。何だって俺なんかに)
恵土「それは、お前にしかない『大事な長所』だ」
菊地原「!!」
驚いて目を見開き、恵土を見る
恵土「少しぐらい胸張って生きたらどうだ?
お前にしか出来ないことだって、いくらでもあるんだからさ」
ぽんぽん(頭に手を置いて、軽く叩く)
菊地原「…」
驚いたままの表情で固まる菊地原…
恵土「頑張れよ~菊地原」
背を向けたまま左手を振って去っていく
菊地原「…(名前、知ってたんだ…」
その頭に手をやりながら思う中
恵土「自信もって突き進め。な?^^」
振り返りながらそう言って笑いかける恵土に…
菊地原「…(微笑」
少し嬉しく感じたことは…
本人だけにしか知り得ない事実…