第15章 創痍(そうい)
秀次「ひっく…うっ;」
嗚咽としゃっくりをあげながら泣きじゃくり続ける…
恵土「…よしよし(微笑&なでなで」
恵土は知らなかった…
目を覚まさない間、ずっと付きっ切りでいたことを…
つい3日前まで↓
秀次「頼む、姉さん…
恵土まで連れていかせないでくれっ…;
頼むから…
俺の前からいなくならないでくれ…;」
そう言っていたことも
涙を流しながら、全く動かぬその手を握り続けていたことを…
それから…
恵土「秀次…ごめんな。
一杯心配かけて、不安にさせて…
もう、大丈夫だから…
絶対、生きるから…(微笑」
秀次「っ…;
だったら、最初から死にそうになるなっ;;」
そうして…
それは、秀次が泣き止むまで続いた…
秀次「あんたまでいなくなったら
俺はどう生きればいい…」
恵土「いなくならない。
ずっと、傍に居るよ…
母上がそうしてくれたように
見守って、支えてくれてるじゃんか(微笑」
秀次「…恵土…」
恵土「ん?」
秀次「恵土(ぎゅうう」
恵土「だから何?」
秀次「…それよりも俺は…
(お前が無事で、返事を聴ける方がいい」
姉さんの葬式、何を言っても返事は返ってこない…
泣いても、姉さんからは何も返ってこない…
(思い浮かぶのは、棺を前に叫ぶも
何も応答が無く、雨に打たれながらも必死に叫んで泣きじゃくる所…)
そして…
返ってきたのは、恵土の想いと言葉だったことも…
(その肩を掴み、涙を浮かべながら抱き締める所…)
それが、今まで生きる上で支えになってくれたことを…
恵土「俺は?」
秀次「…どんな風に想うことになっても…
俺は、お前と一緒に居たい…
これから先も…
一生ずっと、一緒に居たいっ(涙」
涙を流し、再び抱き締める…
恵土「!…(微笑)
…私も、同じだよ。
だから、安心して笑えってば^^
いい男なのに、涙でくしゃくしゃになって(頬を撫でる」
秀次「うるさい…(目を伏せる)
黙って寝ろ。
そして…
ぱっぱと治せ、バカ。ぐすっ(微笑」
恵土「頷く)うん^^」
そうして抱き締め合う二人を、日が明るく照らす
重なる時、重なる想い…
それらが、時には奇跡を生み出す
全ては、この時のために…
(10月31日AM7:46更新、384~393(10ページ))