第15章 創痍(そうい)
「あの、どういった内容で?」
木虎「私の場合、恵土先輩に声をかけられて
それから私の希望もあって、攻撃の時の修業を見てもらっていました。
すると…
「お前、向いてないよ」と言われ
最初は、ボーダーに向いてないのかと思いましたが
実際は、刀としてスコーピオンを使うことでした。
恵土先輩は数回振ったのを見ただけで
私の手首や腕の柔軟さを見抜き、
両方に刃がついている形状の方が扱いやすいと判断したんです。
実際、それはあっていて
刀として振る場合、その経験がものを言います。
ですが、私の場合
その経験はあまりなく、腕の力や振り方、勢いなども深くかかわってくる。
しかし、両方に刃がついているナイフの場合だと
その手首や腕の柔軟性から自由に攻撃でき、攻撃の幅が広がります。
刀の形にとらわれるよりも
自分の持つ利点である「手首や腕の振りの柔軟性」を生かすことで
それだけでは辿り着けない戦い方を教わりました。
私は
それらを教わるまで、解っていなかったのだと痛感しました。
さらに加えると
私の場合、周囲全体を見渡して状況を分析してから
それにあった戦い方を考えて、倒します。
その点については、恵土先輩に私と似ていると言われました。
それらから考えて、遠距離でも近距離でも応用が利く
オールラウンダーがいいと判断され、私もそう思いました。
ですので、C級から上がるために
スコーピオンの戦術を磨き上げることに専念し
B級にあがってからは
アステロイドと拳銃、
拳銃のオプショントリガーとしてスパイダーを用いることで
恵土先輩が得意とするピンボールを教わり、
スコーピオンへの切り替え方なども教わりました。
その際に、72時間ぶっ続けで付き合ってくれました。
その後は、トリオンの供給無しで
その戦闘が持続できるよう、付き合ってくれました」
緑川「俺の場合も大体同じで
ナイフ形のスコーピオンとグラスホッパーでピンボールって感じかな」
「厳しくはなかったですか?」
木虎/緑川『厳しかったです/厳しかった』
「え!?;即答!?;」