第15章 創痍(そうい)
その傷は…
あまりにも重く…
病院まで、残り200
必死に走り抜けていた秀次…
恵土「…ん」
三輪「!恵土?」
恵土「この声…)秀、次…?」
三輪「しっかりしろ!
もうすぐで病院だ!生きろ!!」
恵土「…秀次…ごめん、な…
約束…もう、守れそうもない…」
三輪「弱気になるな!
お前までいなくなるな!!」
必死に叫びながら走り続ける
恵土「揺らさないように…気を使って…(微笑)
でも、ごめんな…
視界、もうかすんでてほとんど見えないんだ…
…もう、十二分に生きたよ…
辛いこともあった。死にたくなることもあった…
理解者なんて、だれ一人いないって思ってた……
これからもそうだって…
ずっと、諦めてたんだ……
そんでもさ…
そんな中…
無気力ながらに、頑張って生きてたら…
お前たちに会えた…^^
それごとひっくるめて
やっと、幸せってものを感じられるようになった…
だから…
お前らに会えて、一緒に暮らせて…
本当に幸せだった^^
だからさ…
本当に、ありがとう^^(ぎゅ」
三輪「最期みたいに言うな!!!!
まだこれからだろうが!!!!」
目に涙をにじませながら
首に右腕を回しながら抱き締めるようにして弱々しく呟くように言う恵土へ
そう叫ぶ…
だが…
恵土「もう…
私は、十二分過ぎるぐらい生きたよ…
幸せで、一杯で…
胸が張り裂けそうだ…(微笑)
(わいわいと盛り上がりながらも
楽しく皆と微笑んでいた時間が、次々に瞼に浮かんでは消える)
出会ってくれて…
光を与えてくれて…
本当に…ありがとう^^(涙)
…秀、次…ごめん…な…(ぱたっ」
その後…
抱き締めていた右腕が力をなくし、だらんと右手と共に降りた…
三輪「!!恵土…恵土!」
恵土「…」
意識を失った恵土を、一時垣間見た直後
三輪「ぎり)っ…」
さらにスピードを加速させる。
三輪「死ぬな…
頼むから…
姉さんだけじゃなく…
あんたまでいなくならないでくれ!!」
悲痛な顔で走り抜き、ようやく辿り着いた…