第14章 大規模侵攻
三雲「…(とても、温かい…」
白い光の粒子、それに触れる中…
伝えてから、安心したように眠りにつく三雲…
米屋「お。
槍まで直ってやがる。恵土か?」
夏目「え?あのちっちゃい先輩が?」
それを救護班に届けてから、走っていく。
その最中に、槍までもが戻っていることに気付いた…
米屋「あのなあ;
あいつ、ボーダーにとっちゃ救世主だぞ?;」
夏目「そうだったんですか!?;」
猫を頭にのせたまま驚くも
即座に千佳の下へと駆けつけようとしていた
その頃、遠征艇では
ハイレイン「リアム…
例のものは手に入れたか?」
リアムの遠征艇に通信を入れるハイレイン
リアム「ええ。
相当きつかったですけどね;
最後のあれ、やぶれかぶれでしたが成功しました」
ハイレイン「ならいい…
あいつは、神の一族の純血種だ。
本人は気付いてないようだがな」
辛うじて返答するリアムに対し、語る
ミラ「神の?」
リアム「…ここでは
この世界の機能=理を、神という存在が成り立たせているらしい。
そして…
それを代々護り抜いてきた一族の末裔が、彼女だ。
と言っても、他の血も交じっているようだが
神は神でも、全ての世界を最初に生み出した『始祖神』…
それごとひっくるめて、最初の神だったということだ…
いくら混じろうが
その受け継がれし『誠の心』こそが、純血種の証…
その体に流れる『血』もまた
始祖神の力=トリオンをも有しているものには違いない。
そうでなければ、あのようなサイドエフェクトは実現できない。
それ以前に、普通の人間なら耐えられずに死に絶える。
生まれ持つ性質を変えるというのは、それほど難しいことだ。
と同時に、決してできないことでもある。
…当の本人は記憶がないようだが…
体は覚えていた…
そのような昔話を、何度も聞かされて眠ったことを…」
そう言いながら、読み取った恵土の過去を思い返すリアム…
その顔は、複雑そうな表情をしていた…
ハイレイン「…そうか…
あいつの過去の情報も手に入ったということか。
ならいい。当初の目的も達成した。
よくやった(微笑」
リアム「はい(微笑」
うつむきながらも微笑む中、遠征艇はアフトクラトルへと帰還した…