第14章 大規模侵攻
城戸「バカなことを…」
そう作戦室で呟かれる中
南西部
小南「これって…恵土の?」
粒子が降り注ぐ中、触れた瞬間にトリオンが回復していった…
ハイレイン「なんだ、これは…」
ミラ「我々には害のないようですが」
空を飛ぶミラと、呟くハイレイン。
ちょうどその頃、レプリカが帰還命令を出した後で
これから確認する所だった…
数々の人が驚きに満ちる中…
南東部では…
リアム「!…
恵土からトリオン反応が完全に消えた…
いや、体外だけか」
冷静に状況を分析しているリアムと
壁に背を預けたまま、力尽きたように地面に尻をついている恵土がいた…
リアム「まあいい。
こちらも、役目を終えるとしよう…」
恵土が壁へ蹴り飛ばした時
外れた通信機を踏み潰しながら歩み寄るリアム
そして…
ばちばちばち
恵土「ぐっ;うあああああ!!
(この雷…あの大男の?」
リアム「悪いな。
動くなよ?」
恵土「ぎゃあああああああああああ!!;」
リアム「総合して2分20秒も、よく頑張ったよ…
55×2兆+65×8兆=630兆
+(20秒で)1600兆=2230兆…
それほど空間を無効化させながらぶつかり合えば…
トリオンも体力も尽きる…
お前も俺も、もうばてばてだろ?
だが、お前の体内には
底知れないトリオンが未だに眠っている…
それを生身でありながら
全身に送って回復させる役割を果たしていたのが…
お前の持つ、『血』だ。
そう憶測を立てた上層部の連中が持って帰って
そこにトリオンが山ほどあれば、っていうかあるだろうが
それをもとに、少しだけこっちの神を永らえさせるって手もある。
が…それはそれで別の話か。
たとえ持って帰ろうと、持って帰らまいと
どっちにしろ、次の神を手に入れられなければ同じだ…
お前を神として持って帰ればいいんだが
それを、こちらの当主はよしとはしなかったんでな…
生きる伝説に手を出せば呪われ
未来永劫、生き永らえることができないってのを
未だに信じてるみたいでなぁ…」
そう言いながら、肺に溜まった血を吸い取り続けるリアム
運よくか、悪くか…
そのおかげで、恵土が呼吸困難に陥ることはなくなっていた…