第14章 大規模侵攻
リアム「にやっ)悪いな…」
その直後、リアムが振り返り恵土へと向き直り
振り上げていた刃を、右腰から前へと振り出す
恵土「!(しまっ」
未来の分岐点まで、0秒
それと同時に…
進行方向に居る敵に、敵から見て右から左へ横薙ぎに斬られ
ざんっ!!
避けようと後ろに飛びずさるも、左脇腹上部を斬られ
恵土「ぐっ…あ」
血を吐いて動けずにいる恵土に対し
左足で蹴り飛ばして壁に左肩を叩きつけさせ、亜脱臼させた。
恵土「っ!…ごふっ」
壁に背を預けたまま、血を吐き出す
リアム「ふっ。
トリオン体のトリオンまで、全てまわすために…
わざわざトリガーを解くとは…バカな奴だ」
恵土「受け身を取りそこなったせいで…
左肩が亜脱臼を起こしたか…)
っ…
(ヴォルフ…いや、流尾…
軽症患者と重傷患者を、治しに行け…
そして…
ボーダー隊員のトリオンを回復させて、傷も全部治してくれ」
『くぅん』
恵土「ほら、ぱっぱと行け。
こうしている間も、次々に命が消えていきかけているんだ…
最後の頼みだ…頼む。
私は…大丈夫だから(微笑」
片目を瞑りながらも、弱々しく呟かれる…
(ウィンクをしているつもりなのかもしれない)
その言葉に、恵土の生身にあるトリオンが反応し
白い光を溢れださせ、三門市全体へ広がった…
『軽傷者なら、全部治せるけれど…
重傷者は、軽傷にしか出来ないし
体に受けたダメージや痛みまでは治せないよ?
目が覚めるまでの時間も変わらないかもしれない…』
恵土「それなら、そうしてくれ…
それだけでも、命は救われる。
目覚めるのが遅いかもしれないが…頼んだぞ…(ぼそっ」
リアム「何をした?
!光の粒子?」
白い光の粒子が降り注ぐ中
一般人とボーダー隊員の傷を治し
ボーダー隊員のトリオンまでをも回復させた
それは
ボーダー本部の内部にまで至り、入っていった…
今までの想いと、感謝と共に…