第14章 大規模侵攻
リアム「あれ?通信機、消えてなかったのか?」
恵土「うん;
こっちは、生身にトリオン体が被さる状態だからさ;」
リアム「なるほどなぁ;
だから通信機は消えないのか。
普通のと同じように、生身とトリオン体が入れ替わるわけじゃないから」
恵土「うん。
そっちこそ、生身にトリオン体をかぶせたようなものじゃん。
生身とトリオン体を融合させて、各々の強みを生かすって奴。
私と同じだな」
リアム「だが…
このままいけば、俺は負けるな…
体力も気力も、お前のサイドエフェクトなら回復できるが
俺は違う。
そんなことはできない。
意思も一つとなることで、角よりも何よりも
完全に一体となっている。
それにより、トリオンを自在に扱いこなせている。
さらに加えると…
お前は、本当によく似ている…
伝説の人に」
恵土「?だから誰だよ、それ」
リアム「最初の神だよ。
神々しい精神の清らかさと貴さを兼ね備えている」
恵土「そりゃどうm
「わああああああああん!;」
恵土「!子供?」
振り返ると、そこには泣きじゃくっている子供がいた…
目の前の家の瓦礫から、怪我のない母親の姿が見える…
恵土「さっきの爆発に巻き込まれて吹き飛ばされた?
(やばい…
こっちはもう、トリオンも体力も尽きそうだってのに(ふら」
リアム「にや)…」
恵土「!リアム、何をする気だ?」
リアム「…悪いな。
俺はもう、ばてばてなんだ…」
恵土「!…まさか!」
ひゅん!!(光速で左隣を通り過ぎる)
リアム「こんな状況だ!
卑怯だと言われようが構わん!!」
恵土「待て!!」
即座に追いかけるも
リアムの方が駆け出すのが早かった分
リアムよりは遅くに駆けつけられそうになっていた
リアムが、泣く子供と母親へ向かって切り裂きに行く
「ゆい!!」
「ママ!;ママぁ~!;わぁ~ん;;」
泣きだす子供…必死に瓦礫の隙間から手を伸ばす母親…
それを見た瞬間、恵土の脳裏にあることがよぎった…