第14章 大規模侵攻
恵土「タキオン?
確か…
ギリシャ語の「ταχύς(速い)」に由来している
超光速で動くと仮定されている粒子のことか?」
リアム「ああ。
光よりも速く空間中を伝播する」
恵土「伝播ってのは
広く伝わることだったよな)…そっか」
その直後、リアムが消え
恵土「ピクッ)!」
恵土が後ろに飛んだと同時に、地面に拳がめり込んだ
どごぉん!!
リアム「…やっぱり、見えているんだな?」
恵土「そりゃまあ」
リアム「やはり、千里眼というのも事実か。
おそらく相手もまた、光速を超える勢いの動きができる」
恵土「ふっ。
解ったなら始めよう!
お前が相手なら、全力を出せそうだ!(にや」
リアム「それは俺も同じだということを忘れるな!」
その直後、光を集中させ
目にも映らない速度で、ぶつかり合う…
無論、監視カメラに映っているのは残像のみ…
その数、1秒に2兆。
恵土「スコーピオン」
そう言った直後、2刀流を繰り出し
相手の刀に対抗し、それを投げたり枝分かれさせたりしていたが…
リアム「どうした?
発動する前の柄みたいなものは使わないのか?」
恵土「…
いいよ、そんなに言うんなら見せてやる」
そう言いながら、装束の腰についていた柄を掴んだ。
リアム「!…そこにあったのか」
恵土「起きろ、白帝!」
そう叫びながら、目の前に突き出して構えた直後
狼が出てきて、柄から白い光の刃が出てきて日本刀になった。
リアム「…そうか。
それが、お前の本来の形の開放か」
恵土「ちょっと違う。
この白一色の日本狼は
村の皆の意思、そのものだ。
その意思が集まり
元々有していたトリオンまでもが引き寄せられてできたのが…
この白帝だ」
リアム「つまり、お前の意思とは違うと」
「くぅん♪」
恵土「なでなで)ああ。
だが、いつまでも護り抜こうとついてくるんだ。
見えないようにすることでしか隠せないぐらいに…
今度は、私が護り抜く番なんだ…
護れなかったあの時から、本当に護れるように…」
そう言いながら、持ち直すと…
全体から、凄まじい白い光が溢れだし…
三門市を包み込んでいるようにも見えた…