第14章 大規模侵攻
恵土「そんなもん昔のことだ!」
「あっちの方もまた悲惨だな」
恵土「!」
「俺たちの方が漫画になってる世界だと?
意識をテレパシーだかで共有して
今ここでの出来事を日記みたいに書いてるみたいだが…
その過去は悲惨なものだな…
一方的ないじめを受け、孤立させられ
自分だけ責められ、人だけは責められず
同じことをしていたとしても、人よりも重く見られる」
恵土「やめろ…(震え」
「小さい頃から、父からの長年のDV
ようやく最近になって離婚できたようだが
長年の激しいいじめと、激しさを増すDVのせいで
異様に周囲の感情に敏感になり
荒れる周囲に振り回されながらも…
悩みも痛みも辛さも、誰にも話しかけることができなくなり
24歳になってからでなければ克服できなかったお前が…
神様からのご褒美なのかもしれないな…
よく純粋に、これまで清い心を持ち続けてきたなという」
恵土「黙れ!!」
「しかも、話した後もまた滑稽だな…
嘘つき呼ばわりされ、距離を取られ
長年の苦労も何もかも全てを否定され
今までの経験通り、ほとんどの人から信じられず…
一部の人からは信じられ、理解者が出来たとしても
否定するものの方が何倍以上もの数だ。
いつまでも苦労し続けている…
激しく苦難の道のりを、誰にも打ち明けずにいたものを
ようやく話したが故に否定され
話さなかったとしても否定され続ける…
常人では耐えがたい苦痛であっても
どちらも共に、一人で耐え続けてきた…
理解者もいないままに…
家族がいたとしても
その家族は今味わっている苦しみを耐え抜くのに精いっぱい…
随分、滑稽だな」
恵土「…滑稽…だと?」
「ああ…
2歳から霊感はあったようだが
そのよりも前の時点から口数は少なかった。
中学3年あたりからか?
テレパシーに目覚めたのは…
そして世界をテレパシーを通じて
他の世界の自分へと繋げることが出来るようになった…
お前も、同じようなものだろ?」
恵土「?」