第14章 大規模侵攻
対峙する二人…
その中、男が一瞬で監視カメラを破壊した…
恵土「!」
「これからいうことは、聴かれない方がいいだろ?
トリオン体になれ。そういうこと言うからよ」
恵土「…(こいつの言っていることは、本当だ…
それだけは解る…)
トリガーオン」
トリオン体になり
その直後、通信機がなくなった…
「お前…全然本気じゃないな。
出す気もないって感じがする」
恵土「…見下してる人に言われたくない」
「はっはっ^^言ってくれるな…
気に入ったぜ…
俺と一緒に来い。
大人しく来れば
その鼻、叩き折らずにすませてやるぜ?」
恵土「それが人にモノを頼む態度か(きっぱり)
ふう。
安心しろよ…
どっちにしろ、ちゃんと頼んでも行く気ないから」
「…親子そろってバカな連中だな…」
恵土「うるせぇ」
「両親も姉も…
どっちも、お前が関わるという同じ理由で死んだのにな…」
恵土「!
何で姉ちゃんのこと…」
「猟師に狙われて興奮していた熊から
庇われて殺されたようなもんだ…
お前が誘わなきゃ…
お前が真っ先に襲われていた。
咄嗟に前に立ってくれてたんだろ?あの時
恐怖ですくんで動けなかった自分を護るために身を挺して…
と言っても熊自体は、もとから
その姉以外は見ちゃいなかったがな」
恵土「…何で…」
「ん?」
恵土「何で知ってる?」
「…見えるからだ。
俺には、過去が見える」
恵土「!!」
「随分悲惨な過去じゃねぇか。
今ここに居るお前の過去も
今、あっち側に居るお前の過去も…
今ここに居るお前は
姉を奪われ、両親も友も知っている者全てを殺され
そして親しくしようとした者たちまで殺された…
今でこそ幸せであったとしても…
人に対して、憎しみを抱いていた時期もあったはずだ!」
その直後、歯を食い縛りながら拳を握り締めていた…
決して変えることのできない過去を、脳裏に思い浮かべながら…