第14章 大規模侵攻
城戸「恵土、ここに残る理由は何だ?」
その問いに、静寂に包まれた…
恵土「…死ぬ可能性のあるものをほおって出て行くことはできません。
サイドエフェクトで感じ取れること、伝えたでしょ?
それに…
敵を倒すのは、わざわざ迎えに行ってやらなくても出来る。
必要ならば
サイレントブラスターで、トリオン兵を本部から撃破していきます」
忍田「なるほど。
本部と地面を透過して、目標物を撃破できるその技なら…」
鬼怒田「おお!
なら、我々の有利は揺らがんな!」
恵土「そう単純にはことは動きませんよ。
第一に近界民には人がいるはずなのに、今はまだ来ていない。
トリオン兵を倒すのに躍起になって使い果たせば
大量にこられた時には圧倒的に不利になります」
根付「なるほど。
その時のために、本部で様子見を」
恵土「隊員がいない、かつ一般人がいる所なら
私がサイレントブラスターで、ここから狙撃します。
目に見えなくても、位置さえ分かれば感じ取れますんで。
それと、まだまだラービットが来そうです。
気を付けて下さい。
相手にとっては、前菜に過ぎないように感じます」
忍田「解った」
遊真「やっぱり恵土だな。
自爆イルガー3体を同時に倒すとは…」
木虎「当たり前よ。私の師なんだから(キラン」どやぁ
三雲(何でそんなに嬉しそうなんだ?;)
それから後
避難が進んでいる南西地区への防衛を後回しにしたことから
三雲と木虎が南西へ行き、嵐山隊と遊真とで別行動になっていた。
そんな折、次々にボーダー隊員が行けない部分の敵を
あっという間に、サイレントブラスターで切り裂いていた
沢村「トリオン兵、撃破数。
200までのぼりました!」
忍田「スコーピオンのブランチブレードじゃないな。
どういう原理でやっている?」
恵土「バルブで集中させたトリオンを一点に集め
予め、ある位置をどのように通るのかなどの軌動を決めてから放出。
串刺しにしたと同時に
刺さった部分から、一気に微塵切りにしているだけです」
忍田「流石だな(微笑)
(実戦となると、こうまで力を発揮するとは…
十何年も戦場を一人で生き抜いてきた猛者か…」
指揮に助言して助ける恵土に対し
幼かった頃の恵土を思い浮かべ
ふと頼もしげに見つめながら微笑む、忍田だった…