第2章 田中恵土
恵土「…そっか(微笑)
でもさ…今更、全部出せって言われても難しいんだよなぁ;」
遊真「抑える癖をつけるからだな。
どうせなら、ちゃんと信じてぶつけて欲しい」
恵土「…遊真」
遊真「なんだ?」
恵土「重苦しくなるかもだけど、言うね」
遊真「ああ。どんと来い(キラン」
恵土「微笑)何でだろ…安心するな…)
本当は、あれからの日々で泣きたい時ってのがあったんだ…
あったけれど…
どうすればいいのか、解らなかったんだ…」
暗い目をして立ち尽くす、自身の姿が
目の前の鏡に映るようにして、脳裏に浮かぶ…
恵土「…悪いのは、襲ってきた近界民(ネイバー)
それは、ちゃんと解ってる…
それでも、私のトリオンもあるからだって解ってた…
両親のトリオンは、そりゃ大きかったし…
だから…結局の所、近界民を憎む気にもなれなくて
行動ってのは、事情があって成り立つって解ってるし…
結局、人を憎むことなんて出来ずに
その当時の自分だけを、責め続けてた…
何であの時、すぐに駆け付けられなかったんだ…
そうすれば、助けられたかもしれなかったのに…
あの雨の中、泣きじゃくる中で…
自身をいましめて、その内に泣けなくなっていって…
…っ;…
あの当時、ちゃんと伝えきれずに…;」
その涙が滲んでいく、脳裏には
別れ際に交わしたやり取りが浮かんでいた…
恵土「別れ際…
『誕生日、おめでとう。愛してるよ^^』
そう言われながら、両親に抱き締められて
頭や背などを撫でられて、頬にキスされた…
それが、たまらなく嬉しくて満面の笑みを浮かべたんだ…
すると…
両親もまた、とても嬉しそうに満面の笑みを浮かべて…
何でか解らないけれど…もっと嬉しくなった…
たまらなく嬉しくって、もっと一緒に居たいって…
ぽとぽとっ(涙)
『私も愛している^^』って…あの当時…
両親に、その皆に伝えたかった!;;(泣き震え」