第2章 田中恵土
遊真「人の為には涙を流せるのに
自分のためには流せないのか…
オサムも親父も、根っからのお人好しだが
恵土はそれ以上のお人好しだな」
恵土「お人好しって…;」
遊真「それだけ人のことを
ちゃんと大事に考えてくれているんだろうけれど
俺としては、恵土も大事にして欲しいな」
恵土「?」
遊真「俺も、恵土が苦しんでるのを見てるのは嫌だ。
それでも、恵土の場合は
それで話される側の気持ちってのが解ってるから
言おうともしないんだろ?」
恵土「え?
どちらかって言ったら
相手に苦しい思いをさせてまで話したくないだけだよ?」
遊真「ふむ…
それが逆に抱え込ませて
過去の辛い思いも悪循環してるんだろうな」
恵土「…相手に辛い思いをさせるくらいなら
抱え込んだまま、死んだ方がよっぽどましだって思ってるし…
潰れてしまえばいいって思ってた…」
遊真「俺からしたら、逆に嫌だぞ。
というより、何で俺には話せたんだ?」
恵土「…信頼、かな…
他の皆も、ちゃんと信頼しているんだ…
でも…この人には、話しても大丈夫だって…
そう思えるぐらい、安心できるって言うか…
あ!でも、想ってるんだよ!?
大事だって、ちゃんと!
それでも…気が付いたら話しちまってた~!!!;(頭抱え」
ぽんっ(その頭に、遊真が手を置く)
遊真「うんうん。嬉しいぞ」
恵土「え?嬉しい?」視線を向ける
遊真「頷く)うん。
俺にとっては、安心して話せるぐらい信じてくれているって解って」
恵土「…でも、結局のところ嫌な思いを~;」
遊真「俺にとっては嬉しい」
恵土「それでも悩ませたり色々と~;」
遊真「負担だと思われようが嬉しい。
逆にされたら、嬉しいだろ?」
恵土「…まあ(頷く」
遊真「だったら、お互い様だな(微笑」
恵土「きょとん)え?」
遊真「俺も、今日
親父のこととか、色々聴けて嬉しかった^^
そういうの、相談してもどうにもならないことだったし」