第11章 スキー合宿
一度は、壊れた精神…
その闇も、息つく暇もない地獄も…
それらがあったからこそ…
今がとても恵まれていると解ることができたのは…
三門市に来て、皆と過ごしたからだ…
おかげで、自然と笑顔でいられるようになっていた…
殺された、理解者になってくれた近界民も
村の皆も蘇りはしない…
恵土『白帝…
一つ、お願いがある…
私の命なんて、どうなってもいいから!
私自身を、全部消したっていいから!!
お願いだから…(じわっ
(父上と母上の死んだ姿がまぶたに浮かび、涙がにじむ))
父上と母上を…
皆を、生き帰らせてえええええ!!!』
自分の命を引き替えに蘇ることを望んだ。
泣き崩れ続けて、自分を殺そうとさえした。
しかし…
それらから護ってきてくれたのは、想いだった…
想いであり、その笑顔が…
自身を壊そうとする心から…闇から、救い出してくれる…
温かな光へと、自身を引き戻してくれる…
それが、たまらなく嬉しかった…
だから…
ありがとう以外、思い浮かばなかった…
そんな時、ふと気づくと
少し明るくなっていた…
そして、肩を叩かれた…
振り向くと…そこには……
皆が居た…
笑顔で迎え入れようとしてくれる
悩んでいれば、親身になって助けようとしてくれる。
いつだって、先に助けようとしてくれただろ?と言われるが
ハッキリ言って、そんな自覚はない。
もしも事実であったとしても
私にとっては、どうでもいいことだ…
だって…
そんな皆が、笑顔で居てくれる…
不幸を望んでいる人だろうが
幸せを望んでいる人だろうが…
全員が全員、笑顔で居られる…幸せを感じていられる…
それこそが…
本当に、何よりもの幸せなんだ…
だから…
ありがとう…^^
そんな思いの中、目が覚める。
チュンチュンチュン
雀の声が聴こえ、明るい日差しが差し込む中
体を起こしてみると、そこに見えたのは…
三門市での今年の正月に撮った記念写真と
小さい頃、近界民たちとの写真と秀次たちとの写真…
恵土「…(微笑)
…ありがとう^^」
そして浮かぶのは、昔から変わらない…
温かな、満面の笑みだった…
過去があるからこそ成り立つ
幸せという、想いと共に…