第11章 スキー合宿
小さい時…
瓦礫の中に立っていた…
必死に走っていくと、死んだ後…
血にまみれた人たちを見ているうち…
サイドエフェクトが無意識の内に発動し…
見えてきた…
本当は、言われなくても解っていた…
自分を狙ってきたことも…
それから護ろうとしたことで、殺されたことも……
その現場が見えていた…
『やめて…』
見ないようにしようと目を閉じたとしても
瞼に移り行く…
『やめて…!』
トリオン器官を取られ…
『やめてええええええ!!!;』
剣で切り裂かれる瞬間まで…
そして…
死ぬ間際、解き放たれた想いを間近に感じ取った…
ソフィア(恵土の母)が、力尽きて横たわっている中
「どうしてもか?」
ソフィア「行かない…
やっぱり…私は、離れたくない;
私の居場所が、ここだから…
私を母親にしてくれた…
迷い込んだ先祖を助け、差別もせずに共に過ごしてくれた…
掛け替えのない、居場所だからっ…」
「そうか…
なら、死ぬ前に整理でもしておけ。
最期をな」
剣を握り、残り3mの距離を歩み寄っていた
その中、目を瞑りながら思っていた…
愛おしそうな眼で、恵土がいるはずの山を見つめ…
ソフィア(恵土…愛している。
誕生日なのに、ごめんね…
きっと、後で感じるだろうけれど…
でも、お願い…自分を責めないで
そんな事をしても…自分を苦しめるだけ…
そして、それが私も苦しいの…
だから…お願いだから…
自分も、人を大切にしようとするのと同じぐらい
大事にしてあげてね(微笑)
ずっと一緒に居るって約束…
守れなくなっちゃったけど…
ずっと、愛しているから…
どこまでいっても、どんな時でも…
自分以外を第一に考えようとするあなたが…
私にとって、何よりの誇りだから…^^)
ちゃき
剣を振りかぶる近界民
『やめろ!!やめろ!!やめろぉー!!!』
必死に止めようとするも、すり抜けるだけ…
見ること以外、何も出来ない…
ソフィア(どうか、生き延びて…
そして、幸せになって
たくさんの笑顔を見せてね^^)
ずばぁ!!
見ている中、無情にも時は進む…
『は…母上えええええええええ!!!!』
満面の笑みを浮かべながら、一つの命が散っていった…