第11章 スキー合宿
写真を握りながら、呟いていた。
両親と共に笑い合う写真を見つめながら
その手に握る、秀次たちとの写真を…
三門市に来て、居場所ができて…広がりつつある。
それと同時に、そんな人達との今までの想い出が胸をよぎって…
恵土「ふと振り向くと、今ではたくさんの人がいる…
護り切れるのか不安になる…
それでも…喜びの方が大きくて…
何が何だかわからなくなって…(涙をぬぐおうと左手を目に当てる」
その中でも、涙は零れ落ち続けていた…
恵土「大事で仕方なくって…
本当に……本当に、恵まれてるって…幸せだって!;
……それ以外、何も思い浮かばなかった。
それ以外、何も感じないぐらいに…
気が付いたら、いっぱいになってたんだ;
辛いこともあった。悲しいこともあった…
それでも…それ以上に、私のために…
こんな自分を大事に想って、怒ってくれる人がいて…
それが、たまらなく嬉しくなって…
今まで抱え込んできた想いとかで
もう、心の中がわけがわからなくなってって…
それでも…そのおかげで、本当に幸せなんだ…
何よりも、本当に幸せで…
情けないな…;
今、自分のことばっか考えてる;
今まで、必死に考えないようにしてきたのに…
そうしなきゃ、耐えられなかったくせに…;
何でっ;…ひっく;
こんなこと…っ;ぐずっ;」
一杯になる心、埋め尽くされていく想い…
それらが、恵土に涙を流させていた…
今まで堪えてきた分…
想いを吐き出させようとしているかのように…
その想いを、今へ紡がせようとしているかのように
ゆっくりと…心の中を整理するように、解き放たれていっていた…
遊真「別にいいんじゃないのか?
そういう風に言いたくなるってのは解るぞ」
恵土「…え?」
遊真「第一、今まで話そうともしなかったんだろ?
だったら仕方ない。
気が済むまで話して、その後で整理すればいいんだ。
今まで、整理する時間さえもなかっただろうしな
色々忙しいって聞いたし。
今からでも
考えて整理するってのは、大事だと思うぞ」
恵土「…そうだな(微笑)
聴いてくれてありがと^^;
ごめんな;私ばっかり話して;」
申し訳なさそうに呟きながら、涙をぬぐった…
考えてくれる人のぬくもりを感じながら…