第11章 スキー合宿
恵土「…バカだな、私は…(ぽろっ)
どっちの気持ちもよく解るはずなのに…
どっちの気持ちも捨てられないし、ないがしろに出来ない…
結果、苦しむのは
それらを、必死で考えている自分自身で…
考えてない人は、楽なのにな…;
それでも、それをよしとはできない…
大切な部分だって、思っているから…
それで
理解しようとしてくれる人がいないって
苦しむ人がいることも解っているから…
自分が、そうだったから……
そんでも…
死んでった人は、苦しむことを望んでないし
色々と背負っていったらきりもないし
その重みで押しつぶされそうにもなるし…
結局、救えていたのか救われていたのか…
もう、どっちなのかわからない…
自分を嫌う近界民が
自分を慕ってくれて、救おうとしてくれた近界民を根絶やしにして…
戦場に触れた時、伝わってきた…
サイドエフェクトの第六感
超感覚から、その時の映像が見えてきた…
それでもさ…
救おうとした人たちは
なんでか、殺されることに文句言ってないんだ…
自分たちは、間違ったことをしていないって…
それでも…
こっちの気持ちにもなってよ;
自分のせいで殺されるのって辛いに決まってるだろ;
生き残って欲しかった…;
それだけでよかったのに;
どれだけぶつかっても、喧嘩してもいいから…
生き残ってさえいれば…
生きてさえいれば、いつだって……っ;
いっそ悪い奴等ばっかりだったら気が楽だったのに
全員が全員じゃないから決めつけられない。
苦しいような悲しいような…
あまりよく解らないまま時が進んでいく…
無駄にならないように出来ているんだろうか…
そう思って振り返っても、誰もいない…
もう、誰もいない…
そんな孤独が押し寄せて…
それでも気付いたら、居場所ができた…
解ろうとする人たちもできて
それがたまらなく嬉しくて…
気が付いたら、秀次とのじゃれ合いみたいなことが
他の人たちにもできるようになっていた…
それで…
一つの想いが、胸によぎった…
『私は…ここに居てもいいのかな』って…」
その言葉と共に
両目から涙が頬を伝って、流れ落ちていった…
その当時に抱いた、純粋な想いと共に…