第2章 田中恵土
恵土の部屋
遊真「さてと、寝るか」
恵土「さも当然のように私のベッドに座るな!;」
遊真「別にいいだろ?少しぐらい」
恵土「…なんか、一生居座りそうな気がする;」
遊真「結婚するって言わなきゃ離れない」
恵土「トイレもか!?;」
遊真「嫌われるからしない」
恵土「そっか。ある程度常識があって良かったよ;(ほっ」
遊真「…そこにかけてある日本刀がか?」
恵土「ああ。
あの当時、必死に振って、バムスター、モールモッド、
二つの光る輪で飛行する飛行型トリオン兵を斬りまくった。
ただの日本刀で斬れるわけがないって言われるが
それが、最後の誕生日プレゼントでな…
私の両親も、ボーダー隊員だったんだ。
トリオン体が斬れるように、何かしら施されていたんだろう」
遊真「なるほどな。
で…何で、あの当時荒んだ眼をしてたんだ?」
恵土「ピクッ)…」
遊真「…」
その問いに思わず見つめ合ってから、しばしの沈黙の後…
恵土「…気のせいだろ?^^;」
遊真「つまんない嘘つくね。
本当は解ってるのに、解ってない振りをしてる」
恵土「…あ~;
実を言うとさ…
襲ってくるネイバーもいたんだよ、当時。
まだネイバーフッドに居た時
同じように、その能力とトリオンを狙って襲ってくる人がいて
それで…だまし討ちみたいな目に遭ってさ…
それが、一番堪えた;
信頼し切っていた、それぐらい大丈夫だって思えた…
そんな人たちに全員まとめて裏切られて…
それ以外、存在価値がないみたいな感じに言うもんだから…
それを否定する人も、誰もいなくて…
11歳で再会するまで、そればっかだったから……」
そう言いながら窓辺により、寄りかかりながら…
ぽとっ(川に、水滴が零れ落ちていく)
恵土「…感情ってもんが、解らなくなっちまった…
あ、あの当時はちゃんとできてたんだよ?
…自然と笑えて、よちよぉ~ち♪って2歳の遊真に言えてて…」
その直後、言葉を詰まらせた…
その眼に、涙が浮かび上がりながら…