第10章 大晦日&正月
恵土「…あのさ…
遊真は覚えてないかもしれないけど…
実際、救ってもらったんだよ?遊真に…」
遊真「?
全く覚えがない(腕組みしながら首傾げ」
恵土「…あの再会する時まで
私は…大事にしてくれる人たちも近界民も…
全員殺されて、奪われて…
孤立しないといけないように振るまわれて…
否定されて拒絶されて…
傷付けられて殺されかけ続けて……
その眼に、光なんて宿せなくなってた…
それでも…
遊真が、救い出してくれたんだよ?
相手を助けたいって想いがあれば、救われる…
そう学ぶことが出来たのも、遊真のおかげなんだ(微笑)
あの時、自分が悪いって責め続けていた…
消えないと、潰れないと…
潰れないと、傷付く人が増えていくってさ……
だから、遊真から求められても
『私なんかはいない方がいいんだ…
潰れた方がいい…
私が潰れないと、お前が傷付くから…
そんなの、絶対に嫌だから(涙目』って…
今までの私の周りは、そう思われる方が普通だった…
何とも思われないで
私自身が元々ないように思われるのが、普通だったのに…
それでも、遊真は違ってたんだ…
ただ、意味が解らなかっただけかもしれない…
それでも…
『一緒に居たい。大好きだよ^^』
その言葉と、向けられた満面の笑みと
自分の左手を、そんな遊真が右手で触れて掴んで…
涙が、止まらなかった…っ;
笑いながらも眉間に皺寄せて、自然と泣きじゃくってた…
そしたら…(ぽとっ(涙が落ちる))
その左頬に右手を添えながら
『ずっと、一緒^^』って…
笑いかけながら、言ってくれてっ…;
それが、たまらなくうれしかった…
と同時に、一緒に生きたい…
私も、支えたい…護り抜きたい…
たとえ、どんな道を進むことになったとしても…
また、会いたい…また、助けたい…
『ずっと、共に
色んなことを乗り越えていきたい』ってさ…(涙」
涙を零しながら呟かれる言葉…
それは、過去の出来事の重さを物語っていた…