第10章 大晦日&正月
恵土「…
十分、してもらってるよ…
秀次が泣いていた時
私、本当に助かったんだ…
一人だけじゃないんだって…
今の私には、頼ってくれる人もいる…
それと同時に、その人たちが
頼っても大丈夫だって、信頼出来る人たちになって……
それだけでっ…
本当に、嬉しいんだ…(涙目)
ずっと…
ずっと、求めてた…
それと、あれから距離取ってたろ?
あれさ…
ただの、おまじないみたいなもんなんだよ…
私が、失いたくないって思ってたもんが…
次々に失っていくから…
私が関わるせいで、消えていくんじゃないのかって…
だから…
消えてしまえとか、殺すぞとか、死ねとか言われるんだって……」
三輪「違う!
そんなこと」
恵土「お前にとっては無くても
他の人たちにとっては違う…
お前のいう姉さんだって…
そりゃあ、憎んでもいなければ
逆に悲しむのを悲しむような人だった…
それでも、全員が全員じゃない…
大事だから、大切だから…
それまでの日々も、失いたくないし
もっともっと築き上げていきたかったから…
そう思う度、胸が痛くなっていく…
段々、苦しみが増していく…
自分を責めずにはいられなくなっていく…
だから…なんだよ……
だから…
私は、どうしたって…
自分が潰れればいいって思うしかなかった…
あの苦しみに比べれば、潰れた方がマシだって
死んだ方がマシだって、今でも思ってるからさ…;
潰れた所で、目に見えることはない。
苦しんでいた所で、外に出さなければばれない。
どうでもいいんだよ、自分なんて…
いらないものなんだよ…
そう思って、周りに迷惑や負担をかけるような自分なんて……(涙」
その言葉と共に…零れ落ちていく…
長年の間、せき止められていた思いが反流していく…
心の中の、大きな渦が解き放たれていく…
決して、語られることのなかった想いと共に…