第10章 大晦日&正月
林藤「おい、落ち着け;
そういうことを言うために入れたわけじゃなくてだな(汗」
恵土「同情なんてまっぴらだ!;
最初からいなけれりゃよかったって事だろ!!;」
林藤「…」
一筋の涙が一粒落ちる中
一人が立ち上がり、歩み寄る
恵土「そうすれば、皆に負担をかけることもなかった!!!;
生まれてこなけりゃ、皆だっt
ぱぁん!
忍田「林藤!」
恵土「…」
林藤「俺は、そういう風に思ったことはない。
第一、俺は負担だなんて思ってない。
したくてやっているんだ。
…だから、そんなことは思っていても言うな」
左手で、その右頬を叩いてから向き合い
真剣な表情をして言い切る。
恵土「…解ってる…
本当は、そんな風に言われる事を望んでないって…」
林藤「…ごめんな、痛かっただろ?」
そう言いながら
涙を浮かべる恵土を抱き締める林藤…
だが
恵土「それよりも…」
林藤「ん?」
恵土「泣き震え)一番、申し訳ないのは…
父上と母上が大事に想う人たちに
気を使わせてっ;
辛い思いとか、色々あるはずなのに…;
それを、もっと辛い方に…させて…
そんな風に、もっと増やすぐらいなら…
最初からいない方がよかった;;
あの時死んでた方が、本当によかった…;;」
ひざまずきながら泣きじゃくり
必死に、心の中に浮かぶ心中を訴える…
それを見た林藤たちは、苦笑していた…
その両親と、あまりにも同じだったから…
林藤「恵土…
お前って奴は、本当にそんな性格してるよな。
でもよぉ…
やっぱり、似てるよ。あの二人に…
そうやって、人のことばっか大事にして
その割には、人には大事にさせようともしねぇで…
それでいながら、笑って笑顔で過ごせれば
それだけで、本当に嬉しそうに…幸せそうに笑って…
人の不幸も苦しみも、すぐに敏感に感じ取って
どっちが苦しいのか、解りゃしねぇ…
人のことで、涙流して
そこから救い出すことに必死になれる…
そんな人たちだった…
俺も随分と救われたよ…色々とな(涙目」
恵土「うっ;ぐすっ;」
涙を必死にぬぐう恵土
それを抱き締めながら、林藤はこう続けた