第46章 解禁
恵土「でもお前は合わせてくれただろ!?」
そう呟いた菊地原に対し、憮然と叫んだ。
それまでの過去から、そう思ったからこそ…
菊地原「それと同じですよ。
言わないと
何考えているか感じているかも伝わらないし
解らないままで終わりだ。
でも、恵土は勇気を振り絞って話してくれたでしょ?
それだけで十分嬉しかった(微笑)
第一、あんたはそれでも全然話さない方だから(苦笑&溜息」
恵土「!…
(そんな風に、思ってくれてたのか?」
驚きを隠せず、今度は恵土が右隣りに居る菊地原を見ていた。
それに対し、菊地原は少しうつむきながら呟いていた。
菊地原「苦しいのに、苦しいとも言わない。
辛いのに、悲しいのに何も言えない。
そんな環境の中で育ったからか
そうすることがあんたにとっては当たり前でも、僕にとっては違う。
だから、心配で仕方なかった」
そう言いながら、顔を恵土へ向け
左手で右肩を掴んで、自身の方へ引き寄せ
頬に唇を落とした。
恵土「!!(目を見開く)
え?//(驚」
菊地原「自分が満足するように合わせるのだって…
きっと、操り人形ぐらいじゃなきゃできないと思う。
それでも…
気になって、仕方なかった。
だって…
あんたと僕は、よく似てるから」
そう微笑みながら、頭を撫でるそれは
その眼差しは、とても愛おしいものに向けるような穏やかなもので…
恵土「え…
きくっちーと私か?;」訝し気
菊地原「絶対違うって思ってるでしょ(じと目」
恵土「い、いや…えっと(おろおろ)
ああ!確かに似てるな!!(手を打つ)
理不尽に言われまくって
否定する隙も全く与えられなかったって点において!!(微笑」
菊地原「その通りだけど気付くの遅い(溜息」
恵土「うぐっ;(ぐさっ!」
菊地原「微笑)…
僕は、あんたに会えてよかったって思ってる。
これは、心からの本心。
でも、たった一つだけ合わせられない。
それは感情で
何をどう感じるかまでは、本人にしか解らないから…
だから、遠慮抜きに言って欲しい。
じゃないとその口塞ぐから、僕の口で」
恵土「え!?//」
その眼は真っ直ぐで、本気だと物語っていた…
(4月15日AM6:18~AM7:07、1776~1779(4ページ)更新)