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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第45章 呪い




木虎「ありがとうございます」

相撲の動きなんて、戦いで生かせるわけがない。

生かす機会など、あるわけがない…


そう思っていた。

決めつけかけていた心が、向きを変えた。


木虎(そうだった…


いつだって、この人は

相手のためを考えて……)

そう思う中、笑みが零れていく。


恵土「胸の中のキリは晴れたか?」

木虎「え?」

その言葉に、私ははっとした。


言ってなかったはずのことが、見抜かれていたことに

私はその時は気付けず、次の言葉を言われてから気付いた。


恵土「お前、なんか思い悩んでたろ?」

木虎「あ

(まさか…気付いてくれていた?」

疑問が生じたその時


恵土「修業でも煮詰まったか?」

そう目を瞑りながら微笑む姿は

まるでかつての自分を見ているかのような、愛おし気なものに向けるものに見えた。


『お前は、昔の私に似ている』

そう昔にかけられた言葉が、胸によぎる。


木虎「微笑)…

はい(目を瞑りながら微笑み、頷く)


もやもやしている感じで、それでもそれを払いたくて…」

そう苦笑交じりに言いながら思っていた。


きっと、恵土先輩は…

それをも見抜いて、付き合ってくれたんだと
後になって。


恵土「…」

それを黙って頷きながら
そっと、右隣に居る私の言葉を待っているかのように

顔を私の方へ向けて、優しく微笑みながら聴き入ってくれた。


次の言葉を待って、言いたいことを聴こうと

大丈夫だと言い聞かせるかのように、待ってくれているようにも見えた。


木虎「…

(本当に…ありがとうございます)(微笑)


でも、おかげで大事なことを掴めたように思えます。

恵土先輩…本当にありがとうございました!(お辞儀」


恵土「礼を言うなら、私じゃない。

今までに付き合ってくれた、色々な人たちにだ。


私もまた、そうして成長してきた。

だから木虎…
礼を言うのは、こっちも同じなんだ(微笑)


互いにないものを感じ、それを学んでいって…

私は、ここまで強くなれた。


だから、『ありがとう』って思うんだ^^


だから…

人には、優しくあるべきだって…


その人のことを考えて向き合うべきだって、学んだんだ。


これまで生きてきて、生かされてきて……」

そう微笑みながら月を見上げていた。

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