第45章 呪い
涙を流す恵土に
感情が蘇ったことを
嬉しそうに微笑みながら見つめる菊地原は、言葉をつづけた…
菊地原「それに…
それだけ信じて向き合ってくれてるの、嬉しかったから^^」
水の入ったグラスを持ちながら、目を瞑って微笑む中
恵土「ぶわっ!)!;;
きくっちぃいいいいいい!!;;」
菊地原「い!?;」
涙を流しながら、抱き締めようと跳び付いた。
感極まったのが、見なくても伝わってきて
俺も恵土を後ろから抱き締め、歌川もまた菊地原ごと恵土を抱き締めていた。
菊地原「ちょっ!
重い!!;痛い!!;邪魔!!;
っていうか零れる!!;水が零れる!!!;(汗」
恵土「きっくちいいいいいいいいいいい;;;」
菊地原「っていうか人の話聞け!!;」
恵土「聞いてるけど聞かないいいいい;;(わああああん」
そう泣きじゃくる恵土先輩を見て、決めた
風間「恵土先輩…」
恵土「?」
風間「絶対に、離しませんから。
どんなことがあっても
どれほど敵が増えても関係ない。
あなたが、相手のことを常に思ってきたのも
どれほどの過去があって、それゆえの恐怖があったのかも
全部、知ってます。
だから、何かあれば来てください。
いつでも、受け入れますから。
どれだけ入り浸っても、俺は否定しませんから(微笑」
それが、俺の答えだ。
ずっと、何かできないか考えていた。
聴くことぐらいしか出来ず、むずかゆい想いがあった。
それでも、まだあった。
やれることも、やるべきことも…
俺が、恵土先輩に何がしたかったのかも……
その当時、やっとつかんだ。
この人の、心からの笑顔が見たい。
いつも見せている笑顔でもなく、無理に笑った顔でもなく…
陽だまりのような、幸せそうな笑顔を……
隊を組んでいた時、向けてきてくれた
どんな時でもなんだかんだ言いながら受け入れてくれた…
どんな過去を過ごしたとしても
否定することも、拒絶することさえもない。
温かな日差しのような、幸せそうな笑顔と共に
離れまいとし続けてくれた優しさが、何よりの救いだったから…
そう言いながら抱き締める中、呆気にとられていた顔が見えた。
それに
風間「忙しい時や急用がある時は別ですが」
付け加えるように言った直後、やっと反応が返ってきた。