第45章 呪い
秀次「やめるな…ずっと、傍に居ろ。
何があっても、嫌がっても絶対に離さねえから(すりすり」
そう言いながら、再び三輪は眠りについたように見えた。
陽介「…相変わらずだな」
栞「うん。
幼稚園の卒園式で堂々と言うだけはあるね^^
将来の夢は恵土の夫になることですってやつ♪」
陽介「頷)ああ^^
恵土はその当時、風邪こじらせててこれなかったけどな♪」
こそこそと話し合っている二人をよそに
菊地原が、さも不満そうに唇を尖らせていた。
菊地原「む~)…」
歌川「どうした?菊地原」
菊地原「いや、どこからが母親の言葉?(1761)
たぶん、『取りつかれやすいのは』ってとこからだろうけど
霊だよね?これ」
恵土「頷)うん、そうだよ」
そう言いながら
昔から慣れているかのように三輪の頭を撫でる中
頷いて答えていた。やはりそうだったのか
菊地原「…色々と苦労してきたんだろうけど
負担は、普通の倍以上にまでのぼってるんでしょ?
気の狂いそうなぐらい、土地の過去だか
残留思念だとか、霊だとか怨念だとか闇とか感じたくないことも…
それこそ、山以上に……
だから、人のことに対して
あんなに達観しているかのように話せるんでしょ?」
恵土「……人は、何もしちゃくれねえよ。
自分のこと、助けちゃくれない。
誰も、私のせいじゃないなんて言わない。
私だけのせいだって、今でも私は思ってる。
『友達だよ』って言ってきて
その日の内に
昔に一緒に出掛けてお金を貸したのにって泣き出して
お金を取ろうとしてきた奴等も…
その心の中が視えた時には……」
そう言いながらうつむく中、また伝わってきた。
『簡単だよね、やっぱり。ちょろいちょろい』
『何に使おうかな~、一万はすぐには無理だったけど五千だし』
『ほら、言った通りだったでしょ?
簡単に信じ込むって』
三人組の女たちは笑い合い、その背を見ながら恵土は唖然とした。
その中、恵土の母が怒りながら取り返していた。
それを見ながら、あちらでの世界の出来事だと解った。
当時、小学6年で起こったもので
こちらでは8歳の誕生日には失っていたから…
その母は、恵土に友達がおらず
母や姉以外と出かけたことがないことを知っている。
すなわち、女子の言うそれと涙は嘘だった。