第45章 呪い
(もう、生きていたくないよ;)
その叫びは、涙は…
誰にも届かない。
暗闇の中、両膝を抱えながら
右手で必死に涙をぬぐう中、誰も気に留めない。
それが糧になると解った途端、手の平を返す。
よそよそしかったのが、急に殺そうとしたり
取りつかれやすいのは、相手の気持ちを考えるから
寄り添おうとする優しさがあるから
でも、それでいい。
それが、あなたのいい所。
優しくて、慈しむことができる。
その満面の笑みが
私たちにとっては、何よりの宝物だから^^(なでなで」
恵土「ぱあ)!(微笑)
えへへ^^//
大好きだよ、母上^^//(にこにこ」
ボールを持つ彼女は、嬉しそうに母へ満面の笑みを浮かべる。
陽だまりのような笑顔、それは母もまた同じで…
母上「こそこそ)内緒のこと、教えてあげる(微笑)
ずっとずっと、私たちはあなたを愛してる。
絶対、あなたを置いてなんかいかないからね?^^(ぎゅっ!」
恵土「うん!//(微笑)
私も離れていかない!!^^♪」
きつく抱き締め合う二人は、満面の笑みを浮かべ合い
父上らしく男は
それを少し遠くから見ながら、涙ながらに写真を撮っていた。
だが、次に見えたのは…
ざあああああああああ
激しい雨の降る中、暗闇の中に見えたのは…
父上と母上の死骸だった。
恵土「…」
その亡骸の前で、呟かれた言葉は
恵土「言ったじゃんか…;」
絞り出すかのような、鼻声で
恵土「絶対離れないって!;;
置いてなんか、いかないって!!;」
拳を握り締めたまま、涙ながらに
恵土「言った、じゃんか;;
言ったじゃんかああああああ;;;
ああああああああああああああ!!!
うああああああああああああああ!!!!;;」
亡骸に跪き、泣き叫ぶ中…
再び近界民が現れ、暴れ戦うのが視えた。
戦い終わった後
(こんな命なら、ない方がいい)
空虚となった心に、一つの想いがよぎる。
次々に目に映ってくるのは
視たくもない、聴きたくもない、感じたくもない…
残留思念から、心や魂…様々なものだった
(こんな目、潰れればいい。
耳も聞こえなくなればいい。
何も、感じなくなればいい。
そうでなきゃ…やってられない)
そんな暗闇の中、光が現れた。