第45章 呪い
それでも、決めたじゃんか…
一緒に、生きてくんだって」
その言葉はどこか、重く感じられるものだった。
荒んだような目で、怒ったかのような気は感じられず
それでいながら、強い意志を秘めたもののように感じた。
それに、胸ぐらを掴んでいた手を離す中
恵土「あんなにオーバーに怒らんでもさあ(ぶつぶつ)
そりゃまあ心臓に突き刺さったけど、もともと持ってる力で治ったし(むっすぅ~」
そう言いながら酒の入った入れ物を取って、再びちびちび飲みだした。
風間「急に飲み過ぎるとまわりますよ?」
恵土「わかってる。
…でも、そうでもなけりゃやってられねえんだよ。
……何で、死ねないんだろうな」
『!!??;』
その言葉に、周囲は驚きと共に
僅かに怒りを感じながら、固まっていた。
恵土「普通と同じように、怪我して、怒られて、
それでも最後には一緒に笑い合って…
治るまで時間かかって、
それでも労わってくれて、大事にしてくれて……
そんな時、過ごしたことねえよ」
そう呟く中、伝わってきたように見えたのは
周囲の人たちが家族と共に
そうしている中、それを見ているだけで一人でいた姿だった。
それから後、それは1歳5か月での出来事なのだと知った。
恵土(自分を大事に想うだ?
はっ!
居るわけあるかよ、そんな人(ぐびぐび))
風間「やめて下さい」
がしっ
そう思っているのが、なぜか伝わってきて
それに腕を掴んで止めたが、突如として振って外された。
恵土「大丈夫だ。至って正気だよ」
その顔は、どこか無理をしていて
それでいながら、懸命に大丈夫だと言い聞かせようとしているようにも見えた。
自分だけでなく、人にまで…
背を、向け続けたまま……
その場に倒れて、潰れるまで。
きっと、この人は止まらない。
倒れて、死にそうになって…
そうじゃなければ、きっと……
2か月前に、入院することなんて
きっと、なかったはずだったのに………
抱え込んでいたことに、無理をしていたことに気付けなかった。
恵土「だから邪魔すんなよ」
風間「いいから、こっちに来て下さい」
恵土「知るかよ。けっ」
そう言いながら、顔を逸らし
再び、やさぐれたかのような顔をしたまま言い出した。