第45章 呪い
恵土「人は邪気を出す。
他の動物や植物などの生き物は全く出さないのに、だ。
おそらく、感情や考える頭があるが故だろう。
といっても、だからといって放置していい問題でもないし
それを見過ごすわけにもいくまい。
それまでに、始祖神のもとへ送る」
ヴォルフ『…そうか』
秀次(…聴いていて思ったが、やっぱり似ているな。
気負う所も、自己を犠牲にしてでも護ろうとする所も…
本当に、紅によく似ている)
その眼は、どこか不安を帯びているようにも見えた。
これから先、また無茶をして死にそうにならないか
そう思う度に、大規模侵攻での
自らの血でまみれて、壁を背に横たわった姿がまぶたに浮かび…
ただただ不安になって
ベッドに座って語っていた恵土を抱き寄せ、その力を強めた。
菊地原「っていうか、それで始祖神の力を持ち続けなければいけないっていえばすぐ合点がいったのに。
なんですぐ言ってくれなかったの?」
恵土「いや~。
だってさあ…
あまりにも非現実的過ぎて…ねえ?^^;
やっぱ嘘だって言われたくないし(ぼそ」
菊地原「いや…
だったら、あんたの始祖神の力で治された僕らは何?って感じになると思うけど」
恵土「うっ;」
秀次「俺は傷を治してもらう時もあったが?
そもそもお前は嘘をつけない上に悪口さえも言えないだろ(淡々&溜息」
菊地原「それ以前にいい子だってのは知ってるし」
恵土「あの;私は大人;」
菊地原「大人でもまだまだ子供でしょ。
やっとこさ3歳レベルの感情表現会得したばっかのくせに(溜息」
恵土「やっぱ生意気だあああ!!;(ぽかぽか」
菊地原「知りませーん。
それよりも早く寝て下さい、うるさい。
風邪ひいてるくせに(ぼそ」
恵土「むううううううううう」
そう、いつものように言い合いながら
恵土が赤らんだ頬を膨らませながらぶんむくれている中
秀次「恵土、一つだけ聞かせてほしいことがある」
恵土「?どうした?真剣な眼で」
真剣な表情を浮かべながら、秀次が言い放った。
秀次「……姉さんを殺したのは」
恵土「!」
秀次「…バムスターなのか?
トリオン器官を奪うことに特化した」
恵土「…ああ、そうだよ」
秀次「…そうか。
形は似ていたが、違ってたから…
ハッキリとは断定できず、気になっていた…」