第45章 呪い
ヴォルフ『だが、この世の邪気がある限り
それはひどく難しい。
ましてや…3880年分ともなればな』
恵土「…そこに居るのは誰だ?」
「ピクッ)!」
その直後、それに反応する。
恵土「黙って聞いてるみたいだが…
まあいいや。いずれ教えるつもりだったし…
それまで、他言無用ってことでよろしく。
きくっちー。
耳がいいのが仇になったみたいだな(苦笑」
菊地原「…あんまり知りたくなかったんですけどね(ぼそ」
恵土「…それでもいい。
結局のとこ、秀次も起きてるみたいだし。うっすらとだけど」
秀次「…」
恵土「まあ、何にせよ呪われた子だ。
そこから動けないようにされたってのもあるが
それは、争いによって生じた邪気
この世の汚れが神の力を受けて実体化した『妖怪』から護るためだ。
別世界を創造し、結界を張って封じ込め
その上で、さらに結界を外側に張っていた。
時間の流れも理も同じにしろ、それを維持し続けるのはきつい。
紅さんは、無事でよかったってバッカ言ってくれたよ」
菊地原「恵土先輩と同じですね、それ。
相手が無事で、幸せで笑えていればそれだけでってとこ」
恵土「ああ^^;
私自身、似てないって思ってたけど
最近になって、やっと気付いた。
…同じだったんだなって」
秀次「…そうだな。
恵土」
恵土「んー?」
秀次「…あまり気負うなよ?」
月明かりの下、窓から降り注いでくる光に照らされる中
身体を少し起こしながら、恵土を抱き寄せて頭を撫でながらそう言った。
恵土「…ああ。
もう、そこまで気負う気はないよ。
無理をしなくていい。話したっていい。
…解ってるはずなのに、どうしたって相手にはさせたくなくってさ」
菊地原「体が勝手に話すのを拒絶する?」
恵土「そうそう^^(二度頷&冷や汗交じり」
秀次「勝手だな、いつものことながら(腕組み&溜息」
恵土「ごめんってば;」
ただただ冷や汗を流しながらそう言いまくる中
菊地原もまた、ベッドに近寄っていた。
ヴォルフ『恵土、前夜祭は3月29日だ。
30日にでも話すか?』
恵土「ああ。
その時には、否が応でも解るはずだ。
封印が解ければ、自由になった妖怪は次々に人々を襲いだす。
その人々の悪意が固まってできたものだからな」
その眼は真剣で