第45章 呪い
力が足りなくなってではなく、呪い故と両方であった。
その頃には娘がおり、全てに変えてでも力を注ぎ込んで
それができるぐらいになっていた。
望んだのは、始祖神の復活。
人の心には、邪が巣食う。
いつの時代になっても、それは変わらない。
それが解っているが故に、全てを懸けた。
それから救って欲しいという願いと共に…
そして、それに匹敵するほどの力を宿して生まれたのが
138代目の恵土である。
恵土が、切らせたがっていたのは
総計108つの妖怪からの呪いと
蘇ることで死にたくとも死ねない、苦しみ続けなくてはいけない力によるものだった。
(628ページ参照)
それを子孫まで引き継がせたくなかったからこそで…
祠にて、その代々の祖先が何を想って生きてきたか…
その全ての記憶までもが祠に宿っており
それらを受けて、完全に記憶が蘇ったからこそ思ったことであった。
…
初代がしたことは、封印。
誰もが、入ってはこれないようにしたもの。
それは、妖怪を封印するための結界でもあり
同時に、この土地を護り抜くためのものでもあった。
衛星に映らないようにし、文献にも残らぬようにし
ただ…護り抜きたいがために
山のてっぺんからでも見えないように、ただの森に見えるようにしていた…
しかし、意図して外に出たり中に入ることはできる。
その代々続く封印をないがしろには出来ないため
今もなお、テーマパークとなっても続いている。
封印の礎となっているのは、『紅』。
ご神木が、今もなお平和を願っている。
それでも、近界民に攻められた時は
その力を使わぬまま、始祖神の力を受け継いだ母は死んでしまった。
当時、3863年に渡る封印が弱まる中、それを強めるためだけに全て使い果たして…
その後に殺され、死んでいった。
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恵土「…始祖神を蘇らせても、力はそのまま残っている。
それは死なせないため。
ヴォルフが、共に生きることを望んでくれたから…
でも、妖怪の上かと封印を続けなければいけない。
何万年にもわたる『時』と
それまでに人の中にうずくまり続ける『邪気』が集まり続けた事によって
最終的には、始祖神を復活させる時に
邪気を纏って、操られた状態で復活してしまった」