第45章 呪い
恵土「生きててごめん;;」
菊地原「どれだけいいことしてても
それは無視されて、それでありながら悪いことだけこれ見よがしに言いまくられて…
僕も同じような目に遭ってましたよ。
勝手に言われて、誤解されて
周囲が振りまく噂が独り歩きして、ひどい目に遭って…
あんたよりかはマシな方だけど
それでひねくれたりもしてましたよ?
…でも、あんたが教えてくれたんでしょ。
理解者は、ここに居るって…(なでなで」
菊地原が、その恵土の頭を撫でながら言う中
当の恵土は、未だに眠り続けたまま
熱故のうわ言と思われた言葉を言い続けていた。
しかし、その声は無意識ながらでも聞こえていて…
菊地原「どこ行こうが、何しようが私はそれで見放したりしない。
離れていったりはしない。
それは…
そうされる側の気持ちが、痛いほどわかってるからでしょ?
だから…僕のような
ひねくれて歪みかかっていた心にも、本気で沁み渡った。
…本気で、真っ直ぐに向き合ってくれたから。
その暴力みたいなスキンシップも、結局はちゃんと加減してくれてて
必死に痛くないかを考えてバッカで…
『痛い!』って悲鳴を上げた時
あんた、バカみたいに心配してくれましたよね?^^
(ふふっ(肩を震わせながら笑う))
「大丈夫か!?;大丈夫か!?;」って
バカみたいにその場でおろおろなって
「救急車呼ぶか!?;医務室行くか!?;
そうだ!!
私がヘリになってお前を背負って病院へえええ!!;」
あんたは混乱したら何しでかすか解んないし^^w(くすくす)
……でも
あんたのおかげで、変わることができたんですよ?俺は。
この一人称だって、僕に戻ったし
変に見下したり、人間なんてって切り捨てたりもしなくなった(微笑)
あんたが現れてから、僕の世界観は一気に反転して…
こんな風に笑えるようになったんだから^^」
そう言いながら、優しく肩に触れて抱き締めた。
菊地原「『もう、一人じゃない。
大丈夫^^
私は、いつだって付き合うから(にっこにこ』
あぁ言ってくれた時、本気で嬉しかった(微笑」
そう言いながら、抱き締める力を強める。
その目はどこか潤んでいて
その時に窓から降る日差しはとても温かく…
曇天から、快晴の空へと変わっていった……