第45章 呪い
悪口を言わないようにしていても
会話をする相手がいなくても、勝手に誤解されていく。
菊地原「これ…
(あっちの世界の記憶?
そうじゃなきゃおかしい。
だって、殴ってきた相手は高校生ぐらいの大きさで…
でも、言ってた相手は小学生から中学生で。
それに…
大学生になっても、そういう目に……
勝手に誤解されて、ひどい奴だと言われていく。
学校で話す相手がいなくても、家族とも話す時間がなくても…
誰にも……」
目を見張る中、想いは続いていく。
「ごめんね…
もう、何も言わないから……
ごめんね、私なんかが存在して…
生きてて、ごめん…
ずっと、一人でいるから;;
いない方がいい存在だって、十分わかったから;;
もう拘らない方がいいんだ;いない方がいいんだ;;
私ができることといえば勉強ぐらいしか…
理解者なんて、いるわけない;;
自分以外、自分を理解してくれる人なんて;;
こっちの父上は優しいのに、何であっちのは傷付けてくるの?;
何で私とお姉ちゃんとお母さんを殺しかけて、笑っていられるの?;;
これ以上、誰かを傷付けないで;
自分なんかがいなければいいなら、いなくなるから;;
もう言わないから;何も言わないから;;
何も抵抗しないから;;;
ごめん;;
生きててごめん;;;
自分のせいで;;;;
業を背負わせて、本当に…ごめん;;;;;」
ぼとぼとと零れ落ちていく涙…
幼い頃からの重圧、過去に味わってきた日々
話し相手がいないまま、話しかけても無視され
やりたい事も出来ず、言いたいことも言えず
感情も表し切れないまま、好き勝手に言われ続けていく。
話しかけられることもないまま…
ずっと……一人で………
恵土「ごめん;…ごめんね;;」
菊地原「…だから、ずっと口つぐんで
やりたいことも言いたいことも何もせずに、人のためばっかだったんですか?」
そうして生身の方では、涙が止まらぬまま…
流れ落としながら、謝り続けていた……
恵土「ごm
菊地原「答えになってない」
恵土「…」
菊地原「……
その過去がきっかけで、そうなったってことか(溜息)
どっちも、同じような目に遭って苦しんできたのは同じ。
…ただ
…想いを伝えないまま、抱え込み過ぎてこうなった」