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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第44章 ボーダーでの日々




遊真「ふむ。
ユーリというのか、俺のおふくろの名前は」

恵土「ああ。

お前の母親は、お前を産んですぐに死んだ。
今から15年半ほど前にな…


そして…
私が最後に会ったのは、私が8歳5か月になった時…

有吾と旅をしていて、出会ってから互いに熱愛していた
16年半前のことだ。


で、8歳半の時に二人とお別れした感じなんだが…
それから結婚して、結ばれてお前を身ごもったって感じだ。

といっても、すぐってわけじゃないんだがな。


…二人共に、優しく包み入れてくれた人だった」

遊真「俺に似てたのはどっち?」


恵土「そうだな…(微笑)
見た目上は、お前の母に似ている部分が多い。

でも、性格上は父親に似ている面が多々ある」

遊真「そっか(微笑」


恵土「私は、未だに私を許し切れていない。
最も憎みたい存在はといわれれば、人間よりも世界よりも自分自身を選ぶ。

でも…人を許すのも強さであると同様に
自分自身を許すのもまた、必要なことだって学んだ。


近界でさまよっていた時、山ほど近界民を憎む人と会った。

その世界からすれば、私は近界民だって感じでな^^;


お前は、近界民と玄界の子だ。

どちらにでもなれるし、好きに生きればいいと思ってる。


ただ、もともとはこちらの人間だったかもしれないのは確かだ。

でも、有吾の場合はボーダーに知らせるなって言ってた。


きっと…

また再会した時に驚かせたかったんだろうなあ^^


あいつのことだから、楽しげに語るよ」

遊真「ああ。俺もそう思う」

そう言いながら、互いは見つめ合って微笑んでいた。


恵土「………

私はさ、ここに来れてよかったよ。

こことは違う場所だけど、この世界で…
玄界で生まれて、育って…山ほどひどい目にも遭ってきた。


でも、さ…

『私なんて生きてちゃいけない存在』だって、
そう言われるのが当然だったのに、急に変わるんだもん。

驚いたよ^^;


全く違う、逆の方向だったから…

その意見を否定されたことなんてなかった、拒絶されて話せないまま
話したい時に話せず、受け入られず、受け止められず…


当たり前だったそれらが、秀次に出会って覆った。

最初こそ、小さなものだったけど…
それが段々と広がっていって…

いつの間にか…
気付かぬ内に、強大なものになってた。
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