第44章 ボーダーでの日々
秀次「!!」
その脳裏に浮かぶのは、語るのを待つのではなく
聴こうとするのでもなく、ただ元気づけるしか出来なかった過去だった。
秀次「…」
それに目を細めながら怒りの形相となり、拳を握り締めながら歯ぎしりする中
恵土はそれに気付かぬまま、微笑みながら語っていた。
恵土「まあ…
どちらにしろ、多過ぎて語りつくせるようなもんじゃないのは確かだ。
咳喘息ってのが喘息の一歩手前だってのは知ってる。
前に咳喘息で、それがストレス性だって解っても
別にそんなに気にするほどのことじゃないさ^^
ただ、えずくぐらいに咳が止まらなくなって…
それは…お前がそんなに気にするほどのことじゃないから」
秀次「そうじゃないだろ!」
恵土「へ?」
秀次「何で俺を責めないんだ(震」
恵土「え?だって秀次は悪くなんかは
秀次「何で俺に聞いてくれなかったと怒らないんだ!!??」
恵土「なんで怒る必要があるの?だっt
秀次「俺の時は聴いてくれただろうが!!
何度でも何度でも聴いて、笑って頷いて
『辛い時ほど…泣きなさい』って…
『無理に笑わず、泣きながらでも言って^^』って!
恵土「いいんだよ^^
私は、何度でも受け入れるし、何度でも聴くから(微笑」
そう言って、頭を撫でて抱き締めて…
その後で、その何倍も笑おうって教えてくれたじゃないか!!
言ってくれたじゃないか!!!
そうして…
数え切れないぐらいの想い出をくれただろうが!!!!」
恵土「…;
お前、今日は特に熱いな;」
秀次「うるさい!!
小さなことでもいい。話すんだ。
辛い何かがうずくまっているなら、泣くんだ!」
そう言いながら両手で両肩を掴みながら、揺すった。
恵土「ちょっ;いきなりはやっぱり;」
秀次「お前が関わったことで悪いことをされた時…
何で、お前は自分自身のせいだって言うんだ!?
お前が悪いことをしたわけじゃないだろうが!!
お前が悪いと罵倒され、中傷され
それを否定する人がいなかった?
その拒絶や否定を、違うと言ってくれる人がいなかった?
そんなの知るか!!!
俺は…!
お前のために駆けつけた連中は!!
そういう奴等とは違うはずだ!!!
お前を否定し、全てお前のせいにしようとする人とは違うはずだろうが!!!!」
恵土「私のせいだ」