第44章 ボーダーでの日々
人付き合いなんて嫌いになっていたのは違う要因からだった。
私が関わると、嫌そうな顔をされて…
拒絶や否定しかされなかった。味方も一人もいなかった。
それを否定してくれる人なんて、いなかったんだ…
悪いことをした人ってレッテルを、私がつけてしまった。
私がいたから、その行動を招いてしまった。
もう二度と、そんな要因になりたくなくて…
誰にも、そんなことをして欲しくなんかなくて……
気付けば、話しかけるのが怖くなっていた。
話しかけてくるなって、悪口雑言をぶつけられたってのもあったかもしれない。
死ねとか消えろとか殺すぞとかなんてのは山ほど言われてきた。
でもさ…言われてる側がこんなに辛いんだから、相手ももっと辛いって思った。
けれど、実際は違ってて…
何とも思ってないから、平気でそう言えるんだって
後で解った……
『待ってよ。行かないで』
「甘やかされて育った奴には解らねえっての」
「消えていなくなれよ!」
たとえ、どれだけ知っても同じにはなりたくなかった…
だって、こんな胸の苦しみを与えるぐらいなら……
私は……
いない方がマシだって、思ったんだ。
結局、そう言ってこられた人たちには何も返す事が出来なかった。
関わることで嫌な思いをさせることを逃そうと、距離を取ることしか出来なかった。
あんな思い、誰にも与えたくなんてなかった。
自分が関わることでそうなるのなら、私なんかは…
『いない方がいいんだ』
っ…」
歯を食いしばった矢先、涙が零れ落ちていった。
恵土「ぎり)…っ;」
ぎゅうと拳を強く握りしめる中、頬を伝って落ちていく涙に気付かぬまま…
恵土「一番かわいそうなのは、私なんかじゃない。
だって……
あいつらの方が、よっぽど苦しむことになるんだ…
自分がいたせいで…関わったせいで……
そんな風に言って、殺そうと暴力振るい続けて…
こっちは怪我を負ってもすぐ治るような化け物だけど
あっちは…やったことは、二度と消えない。
死んだ後で、あの世で償うっていうか
悪いことやった分反省やら何やらいろいろ大変になって;
そういうのが視えてる分、それが嫌で…;;
他の人から見たら、私はおかしな人だから…
視えないもん視えてる化け物だから!;;(目瞑&涙」