第44章 ボーダーでの日々
そんな倫理じみた考えは、どこにでも通用するわけではない。
それを実行している人だって、なかなかいない。
偉そぶってると感じる人もいれば、頑張り過ぎじゃない?と思う人もいる。
感じ方も受け取り方も見方も聞き方も、その人次第。
全員が共通しているわけではない。
それでも……
菊地原「結局の所、よかったって思うよ。
うざったらしいけどね(微笑」
木虎「確かに…
そこまで考えなくてもいいのに考え過ぎですよね、あの人^^(くすくす」
菊地原「こういう時はズバッと言わないとダメなんじゃない?
ま、言っても聞かなさそうだけど(溜息)
実際なんべん言っても聞かないし、この点のみに関しては」
木虎「恵土先輩らしいですよね(微笑」
菊地原「…全員が全員、それをいい方に受け取ってくれるとは限らないけどね。
まあ、人となりを知っていて否定する奴なんて珍しいでしょ。
第一、それに関しては僕が会ってきた中で最高だって保障できるし…
信頼期間は無限大で^^(くすくす」
そう笑う姿は、心から嬉しそうにも見えた。
紹介された時、相性があると教えてもらった。
そしてそれは…人にもよるってことも教わった。
だけど、関係ないって思えたものが一つあった。
それは…
真に向き合って、真っ直ぐ真摯にぶつかってきてくれること。
そう思う中、脳裏で思い出されていた。
恵土がまだ、集中治療室に居た時の話。
来馬「どうでもよくないから、そうしてきたんじゃないのかな?」
菊地原「え?」
来馬「だって、どうでもよかったら
菊地原くんみたいに言ってきた時、C級隊員に対してやってたように無視するはずでしょ?
だけど、この人となら向き合いたいって思うから
だからヘッドロックとか、色々やってじゃれ合いたいって思ったんだと思うよ^^
きっと…
何百回やっても、恵土先輩は受け止めてくれるよ。
だって、そういう人だから^^」
一生目を覚まさないかもしれないって言われたこと(1020ページ参照)から不安に思って
大怪我する前に言ってた
「今まで本当にありがとう。出会えてよかった(微笑」(296ページ参照)ってのは
嫌気がさしたんじゃないかって相談した時、簡単に答が返ってきた。
『そういう人だから』
それだけでいいんだ。人を信じる理由なんて…(微笑)