第44章 ボーダーでの日々
全員に共通するものは、生も死もどちらも苦しいということ。
生きていれば、親しい人が死んだりもする。
でも、楽しいこともあるにはある。
見つけなければ、見つからないままだが…
死ねば、親しい人が悲しんだりもする。
家族であれば、なおさらに辛い。
それでも、待っている人が霊界に居る。
元々、こちらには修業に来させてもらっていると考えている。
人が死ねばどこに行くのか、先が視えない。
それが尚更に不安をかきたてたりもするし、恐怖もわき出させる。
それでも、いつかは…
解り合えるのだろうか、共通し合う部分のみでは……
完全に解り合うことは、非常に難しい。
それでも、考え続けなければいけない。
生きている限り、出来る範疇でもいい。
少しずつでもその幅を広げて、真剣に生きるということを考えて…
この能力を持ったのはきっと、伝えるため…
異なる世界との意思を繋ぎ、意識を共有できるからこそできたこと……
『言いたい奴には言わせておけ、気にするな』
そう言ってくれる人もいたが、やっぱり気にしてしまう性格なんだから仕方がない!
それもまた、一つの個性であって、一つの彩り…
誇れる自分になるというのも、非常に大変だ。
いつかまた、死んで親しい人と会う時
笑って会えるかな?
死にたいと願って、死のうと胸を刺そうとした時…
大切な人に買ってもらった首飾りに刺さって、救われた。
それ以降、そうしたいって願うことはあっても
暴走しそうになることはあっても、何とか踏みとどまっている。
会いたい、でも会えない…
話したいのに話せない…それが、一番つらい。
日常的に、何年もいじめがきっかけで
話したい時に話せないまま耐えてきたはずのそれは…
それでも親しく接してくれたものだったからこそ、なおさらに膨れ上がる一方で……
なれているだろうか…
同じ思い、痛みを与えないように頑張れる人に……
これからも生き続けなければいけないこの世界で
ちゃんと、人として生きていると言えるだろうか?
『人の気持ちを考えられないようになったら、それは人じゃなくなってしまう。
人は、本能のままに動く動物ではなく
理性をもって、人のために抑える事ができるから』
そう思って、生きてきたよ…
痛いのは、誰でも嫌だから