第44章 ボーダーでの日々
母「あらまあ、賑やかね^^」
父「家が明るくなかったな^^♪」
それを見て、聴いて
両親は、姉弟喧嘩みたいって思っていたらしい。
一人っ子だった僕は、こうして…
今夜だけは、二人になった。
菊地原「勝手に部屋にあるものを触るな!!;」
恵土「遠慮もしなければ容赦もしないって最初に言った!」
菊地原「限度を知れ!限度を!!;」
恵土「大事な人だからいいんだあ!」
菊地原「いいわけあるか!この脳みそ無し!!」
恵土「なんだとアイアンクロー食らわすぞ!!」
菊地原「食らわせるもんならやってみろお!!!」
恵土「やってやらああああああっ!!!(キラン」
僕らは組み合って、床の上でぶつかり合った。
こういう風にすることも、今までの僕にはなかった。
僕って呼び方に戻るのだって、時間がかかった。
ひねくれて、やさぐれたりして
それでも…あんな風になれたらなんて思ったりもして……
でも、どうしたってやっぱりそれは無理で…
それでもいいって、思えるようになった。
菊地原(敵わないな…いつになっても(微笑))
妙な確信と共に、笑った。
すると、恵土先輩は
恵土「?どうした?」
首を傾げながら、きょとんとした表情で尋ねる。
どこまでも真っ直ぐで
不器用ながらでも、真摯に向き合おうとしてくれる。
そんな人を、友達に持てただけで…
僕は、本当に幸せで……
菊地原「ありがとうございます(ボソッ&微笑」
恵土「?何が?(首傾&きょとん」
多分、意味は解らないだろう。
でも、それでもいい。
恵土先輩がいてくれることが、何よりの救いだから…
そして現在…
この関係は、今も変わらずにある。
退院してから
『きくっちーを病室に縛り付けてしまい、すみませんでした(お辞儀』
そう、わざわざお土産をもって謝って回っていたらしい。
恵土先輩の護衛について泊まり込んでいた人たち全員に、一つ一つ回って…
あのバカらしいっていうか…
『ああ、こういう人で良かった(微笑』ってことは
それこそ、大分昔から思うようになっていた。
そして…
こういう人だから惚れたんだってことには、最近気づいた。
僕は…恋なんてしたことがなくて、その分気付くのが遅れた。
でも、どっちにしろ変わらないと思った。
だって…